「ルパン」の記憶

| (ルパン三世) | コメント(0)

ルパンのことを考えるとき、貴方は「どの彼ら」が頭に浮かびますか?

パースリ贔屓の私ですが、一番に思い起こされるのは、やはり「新ル」の彼らです。
子供時代、3年も続いた放送を見ていた影響でしょう。当時は熱烈なファンではなかったけれど、大体毎週見ていたような気がします。
その刷り込みがずっと残っているせいか、自分が創作する彼らのキャラクターや作風は、とくに意識しなければ自然と新ル風になってしまうようです。(個人的好みに味付けされる傾向はありますけど/笑)

一昨年の夏から半年ほどかけて、私はアニメの「ルパン」を全話見直しました。
きっかけはTVSP「ファーストコンタクト」でした。「これまでのルパンにあった場面をいろいろ詰め込んだ」という記事を読んで、もう一度「ルパン」を見たくなったためです。
そうして最初に再会した「ルパン」がパースリだったのは運命でしょうか(笑)
見終わる頃にはどっぷりとハマってしまい・・・現在の私に至るわけです。

で、久々に見始めた「ルパン」のことを、私がどれほど憶えていたかというと・・・。
パースリはリアルタイムで見たのですが、ほとんど記憶に残っていませんでした。
当時はどうしても(新ルからの)違和感が拭えなかったことや、放映時が受験時期と重なっていたせいで時間的・精神的な余裕がなかったのかも。当時の私は今とは違う方向に趣味や意識が向いていたし、今ほど楽しめなかったのかもしれません。

では新シリーズはどうかというと、イメージとしては最も残っている割に、ひとつひとつの話は意外と覚えていませんでした。
再見しながらハッキリと記憶が蘇ったのは、4話(ネッシー)、20話(追いつめられたルパン)、26話(バラとピストル)、62話(悪魔の鐘の音)、66話(射殺命令)といった程度。もともと話数が多いせいもあるでしょうけど、こうも記憶にないなんて。どうしてだろう??
上記の話はすべて夕方に見た印象があるので(つまり再放送)、後半はあまり再放送に縁がなかったのでしょうか。いくらなんでも「荒野に散ったコンバットマグナム」「華麗なるチームプレイ作戦」「ターゲットは555M」等々といった話がことごとく抜け落ちてるハズがないもんなぁ・・・。
新シリーズで憶えているのはむしろ、歌詞やシナリオの募集をしていたこと。歌詞の募集時には確か、希望者には楽譜を郵送すると流れたように記憶しています。そんな細かいことより話の内容のほうを覚えていればいいのにね。単なるプレゼントのお知らせではなく、視聴者が参加できるという試みが、子供心にもよほど興味深かったのかしらん? もちろん当時は、自分がルパンの話を考える大人になるとは思ってもみませんでしたよー(笑)

そして驚くほどしっかりとした記憶があったのが、旧シリーズ。
再放送で何度も見返したし、話数も少ないためでしょうが、全23話で覚えていない話がひとつも無い。各話とも冒頭を見ただけでストーリー展開・場面・台詞、どれをとってもかなりの部分が鮮明に思い出されるのです。録画や録音もせずその場限りの気楽な鑑賞に過ぎなかったのに・・・。
そういえば昔、大学の卒業研究でコンピュータを初めて使ったとき、知らず思い出していたのは何故か「コンピュータに勝つのは気まぐれが一番」というルパンの台詞(22話)でした。無意識だったけれど、それほどルパンの記憶は私自身の中に深く刻まれていたようです。

旧シリーズとは逆に、驚くほど記憶に無かったのがTVSP(笑)
それも不思議なことに最近のものほど忘れている。見た覚えはあるのに、ストーリー展開・場面・台詞、どれをとっても漠然と「見たかもしれない・・・」と感じるだけ。酷いのになると、不二子の記憶喪失とか、エンディングテーマと白ジャケといったことしか残っていない(^^;
ただ、「燃えよ斬鉄剣」までは結構覚えていました。このあまりに明確な区切りに、我ながら苦笑を禁じえません。当時はそれなりに割り切って見ていたはずなのですが、やはり無意識のうちに、気持ちが入り込めなかったのでしょうか。しかしルパンの違和感が気になって仕方がなかったという印象すら残っていないのは・・・いいのか悪いのか?(^^;;;
そういえば、今年もTVSPの季節になりましたねぇ。どうか楽しめる作品でありますように。

キャラクターの印象を思い起こしてみると、子供時代の私は、新ルのファミリー路線にしっかりノセられていたようです。
ルパンには「女好きで天才の陽気な大泥棒」という、ごく一般的な印象を抱いていました。からっきしだらしがないかと思えば、ピンチに陥ってもどこか呑気で楽しそうで、最後は一転してビシッと決めてくれる。そんな魅力と、山田さんの口調や台詞回しが楽しくてカッコ良くて、特にルパンスキーではなかったけれど、やっぱり主人公のルパンを目で追っていましたね。
宿敵・銭形警部はドジなコミカルさが、子供心には親近感を抱けたように思います。たまに強くて格好良かったりすると「おぉっ!?」と身を乗り出したりして(笑)
五右衛門は何と言っても斬鉄剣が派手で魅力的でした。ヘリとかビルとか無茶苦茶なものを斬るほど「そんな馬鹿な!」と笑ってしまえるのが痛快で。斬った本人が渋い顔をしているのも、ルパンたちの陽気さと対照的で面白かった。
不二子は可愛くて格好良くて、そして抜け目のない女(笑) 助けを求めたり裏切ったりしても、それもお約束というか、彼らのゲームの内というか、そういうちょっと醒めた(あるいは核心を突いた?)見方をしていたようです。
最後に次元。これははっきりいって「謎の男」でした(笑) 不二子もそうですが、次元には家(先祖や家族)の存在が無いじゃないですか。(注:アニメでは)
他の3人は先祖代々の血をはっきり打ち出しているし、ゲストにもそういった人が出てくる。なのに主人公ルパンの一番近くにいる男にそれがないなんて、あまりに不思議で気に掛かっていました 。
今考えてみると・・・。次元と不二子は先祖にとらわれることなく、現在の自分だけが全てで居られる。まさしくルパン三世のためだけの相棒、あるいは恋人として存在できるわけで、それが必然かもしれません(^^)


ところで、今回「ルパン」の記憶を手繰るにあたり、子供時代のことがあやふやだったため両親に尋ねてみました。しかし、ほとんど覚えてくれていませんでした。両親とも「ルパン」は好きなんですけどねぇ。
ちなみに、当時「ルパン」が「子供に見せたくない番組」と言われていたのをどう思うか訊いたところ・・・口を揃えて返ってきた言葉がコレ。
「へぇ~、そうだったの? どうして??」
・・・両親に感謝しています(笑)

コメントを送ってください

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://k-kon.sakura.ne.jp/mt427/mt-tb.cgi/205