2004年のサムライ達

| (ルパン三世) , (新選組!) | コメント(0)

「なぁ五右衛門...、頼むからいい加減にしてくれよ...」
「.........」
「そりゃぁお前さんが普段何しようと自由だし、気持ちもわかるさ。けどよぉ...そいつのお陰で仕事に身が入らないんじゃなぁ。もうこれ以上延期するってのは流石に困ンだよ」
「.........」
「だぁ~~っ、もういい加減にしろってンだよッ!」
「.........(チッ)」←斬鉄剣の鯉口を切る音
「ムダだぜルパン。どうせ今年限りなんだから好きにさせてやんな」
「...ちぇ~、勝手にしろぉぉ!!」
毎週日曜夜8時。アジトのテレビを占領する五右衛門は、45分後には必ず涙を浮かべているという――

新ルに新選組絡みの話がありますが、それよりパースリ34話で「御用改めである!」と新選組ごっこ(笑)をしていた五右衛門の方が印象深かったりします。五右衛門ならこの手の話に弱いだろうなぁ。
...ええ、私のキャラ診断結果(=五右衛門)は当たってますよ。悔しいけど(笑)
あれこれと落ち着いてきましたので、近況=言い訳を書かせていただきます。そう、仕事がとっても忙しかったのは事実ですが、創作ができなかったのにはもうひとつ理由がありました。
前にも書きました通り、私は今年(2004年)の大河ドラマに大いに嵌ってしまいました。
私はあまり暗い湿っぽい描写には醒めてしまうんだけど、このドラマは悲劇的な破滅へと転落していくにも関わらず、さらりと笑いさえ交えながら主人公たちが前向きに突き進んでいくんですよ。なので、気がついたら心理的に相当入り込んでしまった。
ドラマが終盤に進んだ頃から、私は出来るだけルパンに触れないように注意してきました。
ルパンたちのことを考えてしまうと、悲劇の方向に引きずられそうで怖かったんです。
そんなわけでここ2ヶ月ほどは、創作はおろか大好きなサイトさまを巡ることすら自制してきました。ドラマにしろルパンにしろそこまでのめり込むのはどうよ?と己を笑ったりもしましたが、まぁどうしようもありませんで(苦笑)
そのドラマもついに最終回を迎えました。気持ちが落ち着いてき次第、そろそろルパン解禁といったところです(^^)

さて、それほどまでに嵌ってしまった大河ドラマについて。
前にも書いた通り、当初はまったく期待していませんでした。最近大河ドラマに失望続きだったせいもありますし、信長や秀吉のような戦国武将は好きでも新選組は人殺し集団だと断定する人が少なくないので、題材として難しかろうと思ったのです。どちらも乱世という時代が背景にあるのに、幕末は現代に近い分、現代の価値基準で考えてしまいがちなのでしょうか。(そのことは坂本龍馬の人気にも表れているように感じます)
そんな新選組を大河の枠で扱うなんて、例えるならハイジを放映した伝統的子供向けアニメの枠でルパンを作るようなものです。制約が多すぎて、到底ロクな描き方はされないだろうと諦めていました。
ところが。
三谷氏とスタッフは凄かった。その制約の中で、見事なまでに魅力的な新選組を描き出してくれました。
途中はあれこれと疑問に感じたこともありました。しかし、突飛に見えた設定も些細な場面もキャラクター描写も、全てがこの結末に向かうために築かれていたのだと納得。いやはや...物凄い構成力と説得力!
無論、これが新選組の真実だなどと思ってやしません。が、"史実"と呼ばれるものが真実だとも思いません。真実なんて所詮、他から窺い知れるものではないのですから。
ただ、こういう新選組の描かれ方があってもいいだろうと思うのです。思想も情勢も複雑に入り乱れた幕末、それらを順に追って説明するだけの番組ならドラマにする必要はないでしょう。そんな時代に翻弄されて悩み苦しみつつ、夢を追いかけた等身大の若者たちが敗者として葬られていく様はドラマとしてとても見応えがありました。
私が見た新選組作品のベストは15年ほど前に役所広司氏が土方歳三を演じた「燃えよ剣」でしたが、今年の大河はそれを超えました。若手や舞台俳優を多用した思い切ったキャスティングも見事でした。主人公を初めメインキャスト達の成長ぶりは驚愕の域。中でもこれほどの土方に出会える日が来るとは思わなかったなぁ。(人物を英雄的に描くのって好きじゃないんですよね ^^;)
酷評も多かったようですが、私はとても好きです。大河ドラマに相応しくないとも思いません。若者向けとも言われたけど、うちは両親とも楽しんでたし(ドラマで父と母の好みが合うのも珍しい/笑)。しかし途中で路線変更するはめになるのではとヒヤヒヤしたこともありました。ドラマの主人公たちが誠を貫こうと戦い続けた姿は、全ての関係者の方々に通じるのだろうと感じます。最終回の「よく闘いました!」という台詞をそのまま贈りたい。最終回を終えて至るところで「ありがとう!」と書かれているのを見ましたが、私も同じ気持ちです。
あとは来週日曜の総集編を残すのみ。寂しいけどそれで区切りをつけます。あ、完全版DVDはもちろん予約しましたけどね(笑) とにかくいいドラマに出会えて幸せでした。

そんなわけでテキストはしばらく書けなかったけど、素人ながら創作を手がけるものとして沢山の充電はできました。学ぶものは本当に多かったです。少しでも消化してテキストの表現に反映できたらいいなぁと思ってます。
しかし、群像劇を得意とする三谷氏のこと。もしもルパンを手がけてくれたら、5人全員を活かした脚本を書いてくれそうだよなぁ...。

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