追悼 山下毅雄氏

| (ルパン三世) | コメント(0)

久々のルパンな話題が訃報というのは辛い...。
旧シリーズの音楽を担当された山下毅雄氏が亡くなられたんですね。記事には手がけられた作品の数々が載っていて幅広い活躍の程が偲ばれます。どれを採っても見出しになるほど知られた曲ばかりの中、yahooのトップに来た代表作は「ルパン三世」なんだなぁ...。作曲家・山下毅雄氏の凄さと「ルパン三世」という作品の大きさを改めて感じさせられました。

私が最も印象に残っているのは、やはりエンディングテーマでしょうか。子供の頃に夕方の再放送を観ていましたが、力強く真っ直ぐな歌声でありながら、もの悲しくて得体の知れぬ妖しいムードに浸ったことが忘れられません。何か"大人の世界だなぁ"と感じたものです。
旧シリーズの曲は、実に独特なムードがありますよね。

明るい曲でもなにか陰があって、少し粘っこくて、どこか張り詰めた感じがして。新シリーズ以降を担当した大野雄二氏の曲からは、世界を舞台として軽快に展開する"突き抜けた明るさとオープンな広がり"を感じるのに対して、旧シリーズの楽曲には"どこか閉じられた別世界といった不可思議さ"とまだ若いルパンたちの"青さ"を感じます。
若い頃を回想はできても二度とは戻れないように、アニメで旧シリーズを再現することはやはり不可能なのでしょう。あの空気はもう現代には無いものです。今に受け継ぐべきルパン作品の魅力は別にあるはず。ただ真似してみても、TPOや自分自身を省みずに高価なブランドものを全身に纏っているようなもので、陳腐に映るだけです。(それは新シリーズ以降に対しても同じですが)
また、すべてのルパンファンが納得する作品というのも創り得ないでしょうね。ルパンはあまりに多様化してしまったから、視聴者の望むルパン像も様々ですものね。いい意味ではその多彩さが魅力でもあるけれど...。

いろいろと難を抱えつつも今なお現役なルパンワールド。
そのアニメ作品としての原点は、紛れもなく旧シリーズにあるわけで。それを"回帰"ではなく"土台"として今後のルパンワールドを発展させていただきたいものですが...。ともあれ旧シリーズのルパンは、そのまま蘇ることはなくとも、いつまでも作品として愛され、ファンの心に生き続けていくんですよね。
ルパンの原点を音楽で表現してくれた氏に感謝するとともに、ご冥福をお祈りいたします。

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