ルパン三世データ分析‐酒データ: 1stシリーズ(旧ル)編

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ルパンたちの酒データ分析第二弾は、「1stシリーズ(旧ル)編」です。(データ協力深謝:みゆさん、池本剛さん)
まずはリストと集計結果から。 >>定義・判断基準
前回同様、以下はデータをご覧いただいたことを前提に話を進めますね。

全23話のうち、酒の登場率は4割強。シーン数で割っても1話あたりの平均が0.5回でした。
どうでしょう、案外少ないと思いませんか?(いや充分だよと言われるかもしれませんが...^^;)
先に種明かしをすると、全シリーズ中で旧ルはダントツに酒シーンが少ないです。
無駄がないと言えば、確かにそれもあるでしょう。印象に残るシーンはあるわけで。ただ、酒があって不自然じゃないところに描かれていないんです。6話・7話冒頭のアジトとか、8話でカード奪取に成功した後とか、15話の作戦会議中とかね。9話のアジトなど、テーブルの上に花はあっても酒がない不思議...、その後に映ったキャップは飲んでるのに。(しかしその花を誰が活けたのかちょっと気になる)
また、普通に食事するシーンがないことも、酒の登場率を減らしています。強いて挙げれば2話の朝食と12話の野営シーンでしょうか。乾杯も最終話の一度きりですね。

酒の種類ですが、割とまんべんなく飲んでいるようです。赤ワインがゼロなのは意外ですけど。ひとつ迷ってブランデーに分類したとはいえ、前回の映画・OVA編と逆転してますねえ。
もっと意外だったのは、けっこう絵が適当だったこと。どうしても5話の「寂しがり屋め」のシーンが印象に残るので、旧ルの酒は丁寧に描かれていると思い込んでましたが、そのシーンと12話だけでした。しかし12話はラベルが読み取れるにもかかわらず、該当銘柄の見当もつかないのが悔しい~っ。あれこれアタリをつけて調べたんですけどね...。舞台が日本なのでジャパニーズの古い銘柄でももじってるのか、それともやっぱりスコッチ系?あぁ気になるっ!
結局銘柄がわかったのは、5話のシーバスリーガルのみ。10話の白ワインを甘口と推測したのは、ボトルの形と色からです。そう、旧ルはボトルが少ないんですよ。登場率5割。かの17話クラブアトランティスでは、あれだけ飲んでるクセに1本も描かれてない。う~む残念。ついでにアイスペールなどの備品も、旧ルではひとつも描かれていませんでした。
ボトルの形を見ると、肩付きのボルドー型がデフォルトのよう。なで肩(ブルゴーニュ型)は1回カウントしましたが微妙な絵です。この時代って肩付きボトルが一般的だったかな。

時代といえば、旧ルの頃って、まだ洋酒が(関税で)すごーく高かった。
唯一銘柄が判明したシーバスリーガル、今でこそ2~3千円で買える親しみやすい酒ですが、当時は倍額くらいはしたはずです。物価の差も考慮すれば一般庶民にはそう手が届かない高級酒。リアルタイムでこのラベルに目を留めた酒好きがいたら、さすがルパンいい酒飲みやがってェ~と羨まずにいられなかったでしょう。
15話の"洋行"といい、まだまだ海外が"遠い"時代だったんですよね。
でも考えてみれば旧ルの放映(1971年)って、明治維新(1868年)からようやく百年が経ったばかりなんですよねぇ...。...おっと、話が逸れてしまう(^^;

ええと、キャラクター毎に見てみます。
ルパンはさすが主人公だけあって、全12シーン中10シーンに登場します(注:クラブアトランティスで2回映るため集計回数は+1になってます。次元も同様)。酒の種類も飲む場所もバリエーションに富んでます。
次元と不二子は同数の6シーンで、全シーンの半数です。違うのは飲む場所で、次元がアジト中心なのに対し、不二子はいろんなところにいますね。つまりはルパンがアジトで飲む相手は次元、外では不二子ということで、自然な結果と言えそうです。
五右衛門は最終話の乾杯のみ。最初の飲酒はビールだったんだ。
特筆すべきは、全く飲まなかった銭形。流石というところでしょう。旧ルではヤケ酒も無かったのですね。
同席メンバーに着目すると、4人揃ったのが最終話の1回。ルパン・次元・不二子の3人が2話の朝食(準備のみ)と17話のクラブアトランティス。そしてルパン・次元が...あら2回だけ?(5話・19話)。ルパン・不二子は2回も来ましたね(10話・12話)。さて今後も増えていくんでしょうか?(^^)

必然性では、2シーンの酒がストーリーに絡みます。
1回は作戦に使い(15話)、1回は作戦に"使われて"(17話)います。そういえば15話は日本酒、五右衛門よりルパンが先に飲んでたのかぁ。
そして乾杯シーンに酒は不可欠。初乾杯は4人揃ってのビアガーデンでした。これは旧ルだけでなく全シリーズ通してもレアな状況です。4人での乾杯自体は新ルで定番化しますけど。
もうひとつ定番の原型といえるのが、5話のルパンと次元。アジトで二人酒、しかも「寂しがり屋め」ときては...相棒スキー悶絶です(^^;。このシーン、ボトルだけでなくグラスもカットデザイン付きで丁寧に描かれていて嬉しいところ。

というわけで、旧ルのベストシーンはこの「寂しがり屋め」。またもや当然すぎてつまんないですね(笑)
ベストスリーだと、2番目はクラブアトランティス(ベストというか印象の強烈さで...)、3番目はやはり乾杯シーンでしょうか。

...おっと。忘れるとこでした。
番外になりますが、旧ルで酒といえばもうひとつ外せません。
2話に登場する"白乾児"です。
中国の蒸留酒、白酒の名前なんですよね。無色透明でアルコール度数がウォッカ並みに高く(注:最近は35度位が主流らしい)、それこそ簡単に引火します。脂っこい中華料理に合うそうで、ただ独特の香りが強くて日本人に好まれにくいのだとか。
値段は手頃なようだけど、ちょっとチャレンジする勇気がないなぁ。どなたか飲んだことありますか?

以上、「旧ル編」でした。次回はいよいよ「新ル編」に入ります。
新ルの酒って、皆さんはどんなイメージがありますか?何か面白い発見があるといいのですが、お楽しみに~。

コメント(12)

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> 案外少ない
当時のアニメは全体的に飲食シーンが少なかった、という事はあるだろうと思います。いまだにそうだと言えばそうですが、生活描写って疎んじられてたり軽んじられてたりする面があって。
様子が変わるのは旧ル後の「ど根性ガエル」辺りで。そこから更に時代が下って「ハイジ」などの高畑勲作品で『生活描写に真面目に取り組む』という発想が結実するわけですが…それでも、新ル当時ですら、『生活描写は糞芝居』みたいな意識は確実にあって、描写数自体は旧ル当時と較べれば格段に増えてはいますけど、半ば記号にすぎないってのはありますね。それはまぁ、きちんと描写し切るだけの能力の問題ってのも絡むわけですが。

> 赤ワインがゼロ
そもそも明朗快活路線を設定された旧ル後半は『雰囲気のある飲酒』自体が縁遠いわけですが、旧ル前半にしても、あのアンニュイさとワインってのは取り合わせが良くない、ってのはあるんじゃないかなぁと思います。

> けっこう絵が適当
旧ルの実証主義というのも言葉が一人歩きしてるようなとこがあって、その実はかなり限られた範囲でしか発揮されてないんですよね。

> ラベルが読み取れるにもかかわらず、該当銘柄の見当もつかない
僕はてっきり実在する銘柄だとばかり思ってました。
W&CってのはWCが念頭にあっての冗談名称なんですかねェ…?

> 白乾児
白乾児は僕も呑んだこと無いんですけど…とにかく中国酒って薬臭くて苦手です。

「寂しがり屋め」は本当に良いですよね~!何度観ても悶絶必至です(笑)
あのシーンの印象があまりにも強かったせいと、旧ル初期イコール大人というイメージがあってせいで、酒のシーンはもっと多いかと錯覚してましたが、池本さんのコメントを読ませていただいて、生活描写に関してなるほどなぁと思いました。
そうなるといっそう、あのシーバスーガルの細かな描写が珍しいんだということになりますね。

銭形ゼロは納得ですね。さすがルパン逮捕ひと筋の男。
カリ城やパースリでの自棄酒シーンは妙に愛おしく感じますが、新ルでは「そこって飲むところじゃないだろ!」ってツッコミ入れたくなることもありますし(笑)

> しかしその花を誰が活けたのかちょっと気になる
酒ネタは離れてしまって申し訳ないんですが、これに食いついてしまいます(笑)ホント気になりますね。
五右ェ門が来る前のアジトにも花はいけてあったから、ルパンか次元??
男所帯に花を身近に置くような洒落モノはルパンかなって気もしますが…次元説も捨てがたく。「ルパンを呼ぶ悪魔の鐘の音」で活けてましたし(大笑)

> 白乾児
私もなかなか勇気出ないんですが、今度中華でも食べに行って、ご一緒に挑戦してみましょうか?(^^)

>池本さん
いやはやこれは「アニメ文化論」といった趣ですねぇ!
そうか、全般的に生活描写が避けられていたのか…。無闇に描かないというよりも、必然性がなければ描きにくかったわけですね。
確かに高度成長期の産物って生活感が薄い側面ありますね。超人的な世界や非日常(或いは脱日常)が好まれる傾向というのかな。ヒーローは食べたり眠ったりトイレに行ったりしない、みたいな(^^;
転じれば、生活描写があるってことは“親しみやすさ”に繋がるわけで。その意味でも新ルのルパンたちは親しみやすさが増していると言えるかもしれませんね。
う~む、興味深いです。制作側の背景に無知であるとはいえ、そういった観点はまったく持ってませんでしたわ。お陰様で考察の奥行きが深まったようですよ。ありがとうございます。
しかしそう考えると、食事どころかその用意をしている描写(2話)っつーのはなかなかスゴイですね。…いや、世紀の大泥棒と名うてのガンマンが揃ってキッチンに立つ絵面は、むしろ非日常的と言えるかな(笑)

ワインが似合わない、ですか。ふむ。5話のルパンと次元がワイングラスを手にしているのを想像すると…うん、雰囲気変わっちゃいますな。旧ルのワインシーンはいずれも不二子絡みですが、成程~。

実証主義もピンポイントなわけですね。ここぞってトコで使われているから印象に残るんだろうな。
それにしても「W&C BRIGHT Whisky」、私も当然実在すると思ってましたよ。当時の酒名鑑とか調べればいいのかなぁ。しかしWCって!(爆)…それは考えもしませんでしたわ(^^;;

白乾児、池本さんなら呑んだことあると思ったのにぃー。
薬臭いって、五右衛門ですか(笑)
確かに中国酒には薬草が入ってるものも多いようですが。老酒などは発酵を助けるのに独特の酒薬が使われてるそうですよ。

>みゆさん
「寂しがり屋め」、やっぱりコレですよね~! 酒がなけりゃ言えませんよ、この台詞は♪
このシーンって特別な感じがしないんですよね。二人にとっては日常の一コマといった雰囲気なので、他に描かれていないのに類似シーンがたくさんあったような気になるのかも。

銭形がゼロなのは、勤務中以外のシーンがあまり描かれてないせいもあるかな。というか、銭形に酒を飲ませるという発想自体が、旧ルの時点では無いのかも?
今後、彼がどんな状況で呑んでいるかも着目してみたいですね。

そして、誰が花を活けたのか(笑)
いやいや食いついてくれてありがとうございます。みゆさんなら反応してくださると期待してましたよ~v
このシーン、花瓶がまたピンクなんですもん。誰の趣味だよ?と突っ込まずにはいられませんて。そして赤いバラが何本も…。まぁ普通に考えればルパンでしょうけど、次元説も捨てがたいですよねえ(^^)
「悪魔の鐘の音」で花を活けてたのは残念ながら五右衛門でしたが(次元はスープ担当)、そういえば「哀しみの斬鉄剣」では赤いバラを置いてましたよ!やはり花を愛するココロがあるのかしらん(大笑)

中華料理で白乾児、いいですね~! 次の機会にチャレンジしてみます?
酒の種類が豊富な中華料理店をサーチしてみようかな♪

> 世紀の大泥棒と名うてのガンマンが揃ってキッチンに立つ絵面
これはホント、だから『極めて意味のある場面』だろうと思うんです。そもそも生活描写が欠落してて当たり前の世界で、怪盗とガンマンというおよそ生活感とは無縁の存在が『食事』の『用意』をしているという…二重三重にズラしている描写。通信機による物騒な会話をダラダラ寝転がって行なってる次元の図(第1話)と同様に、極めて意図的に構築された描写ですよね。

> 老酒などは発酵を助けるのに独特の酒薬が使われてる
僕、実は中国酒って老酒しか呑んでない(老酒で懲りた)んです。老酒だけをもって『中国酒イコール薬臭い』という偏見を持っちゃったのは、あまりにも乱暴すぎだったわけですね。いやはや(苦笑)

> 花を愛するココロ
次元が花好きだと仮定すると…「バラとピストル」のラストには、何だか別の意味も加わりそうですね。
リンダとの訣別の意味があるのは勿論、花好きの次元が薔薇を撃ってるわけで。そもそもが花好きだってのもあって、リンダに貰った薔薇の花に思い入れしてたのかなぁ…とか。

薔薇と言えば…「シェークスピアを知ってるかい」での「俺は天道虫にはなれなかった…」って台詞も意味深に聞こえてきたりして。あの台詞って何だか、判りそうでよく判らない台詞ですけど…まぁ花がアンジェリカで自分を天道虫に準えてるって事なんでしょうが…それでもまぁあまりピンと来ない(苦笑) しかしまぁそれはそれとして。確か回想シーンでのアンジェリカは天道虫がついた薔薇の花を手にしていたし、だから次元にとって薔薇の花ってのは特別思い入れがある花だった…って繋げられたりして。
その薔薇を撃ってしまう「バラとピストル」…ハードボイルドって女々しいなぁ(苦笑) しかしまぁ、そうして考えていくと、あの話って、次元が『撃っちゃいけないものに銃を向ける』って話だったのかなぁ…と深読みしてみたりして。わはは。

あッ。
そう言えば「暗号名はアラスカの星」でバーバラと再会した時も、酒瓶と一緒に薔薇の花を提げてましたよね。しかもその薔薇をバーバラに投げ渡すんじゃなかったでしたっけ。全くあの男は…。

もひとつ、ついでに言えば…単行本未収録作の「女だけの刑ム所」でも「なァバラってヨ あんなに美しかったかな………!!」って台詞がありましたが、『薔薇に思い入れがある次元』という視点から見ると、白々しいつーか何つーかな感じに聞こえますね。素直さが足りないんだよな、あの髭は。

…と、勝手に深読みしといてアレですが…薔薇の花ってルパンも結構使う手なんですよね。マモー編のデートとか「ショータイムは死の香り」のジェニーとの別れとか。だからまぁ、新ルにおける赤ワインと同じく、薔薇ってのはアニメ記号なんだ、という身も蓋も無い言い方もあるわけですが…。

そうだ、花生けてたのはゴエでしたね!(次元は幸せの味作ってたんだ・笑)
花データも面白そう、と思ったら、もう池本さんが挙げてくださってるわ。さすが!ナイス!(笑)
次元と薔薇の考察がメチャクチャ面白いですね。
特に「バラとピストル」。そういわれてみるとその通りですね!<『撃っちゃいけないものに銃を向ける』
やっぱりデータから気づくことってありますよね~^^

こうしてお話しさせてもらってると、漠然と感じてる「ルパン三世」という作品の魅力が解き明かされていくようですね!なんだか猛烈に興奮してきますよ。
あり得ないはずのアンバランスさと、その違和感がマッチしてしまう妙。時間が下って初期の濃厚さが薄れたり外れたりすることはあれ、こういった描写は確かに根底で継承されていきますよね。それは間違いなく「ルパン」の大きな魅力のひとつなわけで、敢えて常識に逆らいながら『意味のある場面』を作り上げてきた旧ル初期の素晴らしさ哉。いやぁ…感激だわ。

老酒はまさに中国4000年の歴史ですから、薬臭いのも道理かもしれません(笑)
呑みやすい中国酒なら果露酒(クオルーチュウ)が代表かと。あんずが原料のとか女性に人気ですし。
私が呑んでみたいのは「葡萄酒」です。中国の葡萄酒は2000年以上の歴史があって、世界的な評価も高いそうなんですよ。西洋のワインとどう違うのか味わってみたいです。

さてさて、花の話題も随分と興味深い方向に来ましたね~!
いやちょっとこれは…、一連のコメントを拝読してて、私の中ですべてが一気に繋がっちゃいました。以下、個人的妄想を垂れ流しますが。
次元にとっての「花」は「女」の“記号”であるようですね。もっと言えば「薔薇の花」=「本気だった女」でしょうか。ときに傍らに置き、身につければ“惚れた”ことを表し、決別の意味で撃ち抜き。バーバラに渡したのは想いを伝えるというより、想いを返す(返却)とこじつけることもできるかな。もちろん「花」は好きなんだと思います。実は、傍から感じられる以上に好きなのでは。当然『撃っちゃいけないもの』でもありますよね。
そうなると『シェイクスピア』の薔薇と天道虫は、惚れた女の元で暮らす自分…という比喩になるわけで、だから「俺は天道虫にはなれなかった」のでしょう。そういう生き方ができないと。
原作のは残念ながら未見なので判じかねますけど、ニュアンス的にはそう遠くない気もしますがどうでしょう?
ルパンにとっては、次元より遥かに軽い感じがしますね。“本気”はあるとしても、やはり花は花でしかない…って割り切ってるみたいなイメージ。

ハードボイルドですが、少し前にネットで流行った成分分析風に言うと、「ハードボイルドの90%は女々しさで出来ています」ってところじゃないでしょうか。残りの内5%くらいは「素直じゃない」で出来てると(笑)

いやはやホント、データから気づくことってありますね。
それも一人であれこれ考えるより、お喋りすることで思いも寄らぬ発見がある楽しさ!
今、“ブログ”の良さをひしひし感じてますよ。池本さん、みゆさん、本当にありがとう! コメント機能に大感謝です♪

なるほど…「薔薇の花」=「本気だった女」ですか。なるほどなるほど。
バーバラに対しては「想いの返却」だった、ってのもなるほどです。
そうして考えると、あん時の薔薇が白い薔薇だったのも彼なりの拘りがありそうですね。

天道虫云々は…確かに「アンジェリカの傍で平和に暮らすのは俺には出来なかったんだ」といったニュアンスなんだろう、と何となく伝わるんですが…何つーかこう、唐突と言うのか、伝わり辛いと言うのか、あまり巧い比喩でないと言うのか…だから、次元に対してというよりは、脚本を書いた高階秋成に対して「ちょっと、どうなんですか?」と言いたいのです。

次元に較べるとルパンの場合は、花が含んでいる『意味』が軽い、ってのも賛成です。何つーかこう、ルパンの場合は「こうすれば喜ぶんでしょう?」ってのが透けて見える感じで。あくまでもサービスとして花を贈ってるような。相手を喜ばせるための手段、と言うのか。何にしろ相手の方を向いてる。
翻って次元の場合は何か内に向いてるんですよね。女々しさ90%素直じゃなさ5%なだけに。

なるほど~!なんか、すごく納得です。面白いなぁ!!
白い薔薇だったのは、何となく喪の色なのかなぁ、と思ってました。自分の中では一応終わってたバーバラへの思いの象徴?
ルパンは何にしても、人の反応を楽しむところがありますよね。池本さんが仰るように、だから女に花をプレゼントするのもサービス的なニュアンスが強いのかも。

中国の「葡萄酒」って、ワインとは違うものなんですね。飲んでみたいなぁ。
昔の小説で、ワインが「葡萄酒」と書かれてると妙に美味しそうに思えたものですが(笑)、中国の葡萄酒、味わってみたいです^^

白い薔薇ってチョイスが喪を示すという考え、私も賛同します。これが赤い薔薇を渡したのだったら、“(現在進行形の)想いを伝える”方になった気がしますね。

天道虫の台詞は、私は下手な比喩でいいと思うんです。恋愛に対する不器用さの表現にもなってますから、ルパンみたいな洒落た言葉は似合わないと。ただ、唐突で伝わりにくいのが仰る通り惜しいところで、この台詞にもっていくための土台をつくっておくべきだったでしょう。
先月みゆさんとお会いしたとき、偶然この『シェイクスピア』の回が話題に上ったんですよね。次元がウェット過ぎるんじゃないかと話したんですが、この回どうも全体的にちぐはぐというか、あちこち唐突というか、ドタバタ喜劇なら構わないけど、こういう重さのある内容のときはさらっと流れてくれないと戸惑ってしまいます。引っかかったところで見る側の脳内補完が必要になるだけに、解釈によってはどんどん湿っぽくなっちゃいますしね(^^;

ルパンにとっての「花」は相手に向けるサービスというのは大いに頷けます。自分が無くて相手次第な感じでしょうか。それが“透けて見えて”しまう不二子などは、だから相手にし(たく)ないのかな、マモー編とか。
次元は相手がどう受け取るかはどうあれ、何より己を納得させるためのように思えますね。自分の気が済むように――実際それで気が済むわけでもないんだけど、そうせずにはいられない。まさしくハードボイルドの宿命を背負ってますね彼は…。

「葡萄酒」って、イイ響きですよねv
妙に美味しそうに思えるって、同感です。「ワイン」というとありふれたイメージなんですが、「葡萄酒」だと特別というか秘めやかな雰囲気を感じてしまいます。白乾児とともに今度ぜひチャレンジしましょう!

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