ルパン三世データ分析‐酒データ: 2ndシリーズ(新ル)編 1~30話

| (ルパン三世) | コメント(12)

今回から「2ndシリーズ(新ル)編」です。(データ協力深謝:みゆさん、池本剛さん)
当初は50話で区切るつもりでしたが、トンデモナイ量になるので30話ずつにいたしました。
中でも際立って多いのが今回!ヤツラうんざりするほど飲んでます...。

まずはリストと集計結果から。 >>定義・判断基準
いつもと同じく、以下はデータをご覧いただいたことを前提に話を進めます。

今回、酒の登場率はなんと8割。1話平均1.3回。旧ルから倍増してますよ。
原因はしかし明快です。皆で一緒に飲むようになった、乾杯や食事が増えた、五右衛門と銭形も抵抗なく飲酒している...など。そして"次元=酒に目がない"という図式も成立したようです。
種類は赤ワインとウィスキーがほぼ同率首位で、合わせて全体の半数を占めます。次いで白ワインがその半分(旧ルでは白が主流で赤はゼロでしたが)。次が日本酒で、飲んでいるのは五右衛門のみ。予想外に少ないのがシャンパン(1)・カクテル(1)・ビール(0)。1話の乾杯などシャンパン向きですが、ボルドー型ボトルやグラスからやはり白ワインでしょう(注:なで肩ボトルはシャンパンの内圧分散用に開発されたもの)。
しかし今回ボトルが9割方描かれているのに、ひとつとして色・形・ラベルなどから詳細を特定できませんでした(無地ラベルが多い)。台詞や状況からスコッチ(3)・バーボン・ボルドー・シェリーを判別したものの、具体的な銘柄が全くわからず残念です。ボトルの形はやはりボルドー型が多いですが、ブルゴーニュ型や他の形などバリエーションが増えてます。
旧ルと違って細かいのが、備品。ワインクーラー・アイスペールがしばしば登場します。また、旧ルでは確認できなかったロックで飲むシーンが数回あり、絵だけでなく氷の音も表現されるなどイイ雰囲気を出しています。

そして、酒そのものとは無関係ながら気になるのは、"酒に混ぜて一服盛る"シーン(^^;
初出はやはり不二子。が、なんと"盛られる"側だったのですねえ最初は。それがこの後"盛る側"に回るわけですから...流石は不二子、転んでもタダでは起きません。
ルパンも同じく盛られる側だけど、相手は不二子でなく第三者(ノーミル博士)でした。へえ~~~。

では、キャラクター毎に見ていきましょう。
今回もルパンはダントツです。といってもシーン自体が増えているので割合は半分強。
次が次元で、ほぼ半分に登場です。そして五右衛門が不二子を抜いて3番手に! 銭形もルパンたちに比べれば少ないものの7回登場。ただ、自腹なのは12話@ホテルと13話の寝酒?だけかと思われます。(でも12話って朝食のような...本場フランス人はともかく、銭形にしてもワイン程度は水同然なんですね^^)
共通するのが、酒の種類も飲む場所も分散したこと。既述した酒シーン増加の理由を考えれば自然な流れでしょう。細かく見れば、不二子と銭形はウィスキー党ではないらしいと察せられます。
そして同席メンバーに注目です。
なんと銭形を含めた5人全員が集まっている酒シーンがあります。それは12話・ワイン倉に潜入したルパンたちが、銭形に見破られてワイン責めを仕掛けるシーンです。仲良く座を囲んだわけではないものの、唯一無二の揃い踏みでしょう。
珍しい組合せなら、22話・女人館でのルパンと銭形も貴重です。こちらは大層仲良く(!)飲んでいます。しかも銭形ときたら「仕事なんてくそくらえよ」「ルパン三世に乾杯だ」...とまでのたまう変貌ぶり...。しかし弁護すると、ここの銭形はちょっと正気じゃない可能性があります。老化ガスや媚薬を扱う女人館のこと、女たちの魅力やアルコールの力だけに頼らず(効果に個人差がありすぎるので)他にも何らか"男を骨抜きにする手段"を講じると思うのです。銭形は乾杯の前からすでに友好的ですから、屋敷内を満たす香料にそれ系の調合がされていると推測します。誘い役の女も香りを付けているのかも。ルパンと次元に効かなかったのは、ルパンは何しろルパンですし(説明になってませんがわかってもらえますよね?)、次元の場合は怒りが勝ったのではないかな(笑)
他のメンツを見ると、ルパン一味4人の顔合わせが6回もあり、ルパン・次元・五右衛門の3人も4回。合わせれば3話に1回はルパン・次元・五右衛門が揃って飲んでいる計算になります。ルパン・次元とルパン・不二子はどちらも2回。おや譲りませんねぇ~。不二子といえば、単独での酒シーンが最も少なく1回のみ(5話・スイス銀行頭取との乾杯)ですが、今後どう変わっていくか注目したいところです。
【追記】下のコメントで池本さんにデータ漏れを教えていただきました。不二子単独の飲酒シーンは「2回」です。

必然性は、まず何といっても12話。ワインを盗む話ですからワインがなければ始まりません。最も酒にちなんだストーリーと言えるでしょう。酒シーンも今回最多、1話の中で4回も登場します。
個々の場面における使われ方を見ると、乾杯・作戦(薬入り含む)・接待や頼みごと...というのがパターンですね。

最後に恒例のベストシーンを...と思うのですがこれは難しいなあ。
見所がないわけじゃないけど、特出したシーンが見あたらないというか。う~ん。...ここはやはり記念すべき1話の、再会を祝した乾杯シーンを挙げておきましょう。
ベストスリーとなると...むむ..."ベスト"というには語弊があるけど、12話のワイン責めシーンを2番目にします。やはり5人全員が揃う酒シーンは他にないですからね。3番目は、22話の女人館におけるルパンと銭形の酒盛りシーンかな。貴重だし。ま、何度もあっちゃ困りますが(^^;;
希有な2シーンに押し出されてしまった次点として、9話で次元が最高級のスコッチに釣られるシーンと、28話の五右衛門の台詞「一仕事終えた後で旨い酒を一杯。他に何が要る」を書いておきます。あ、26話のリンダが踊る店で飲むルパンと次元も抜けちまったぜ...(←相棒スキー)

以上、「新ル編 1~30話」でした。
次回は「新ル編 31~60話」をお届けします。どんな注目ポイントがあるか、お楽しみに~。

コメント(12)

| コメントを送る

> 旧ルから倍増
新ルで飲酒率が増えたのは、konさん御指摘の『乾杯や食事が増えた』『五右衛門と銭形の飲酒』に拠るところが大きいでしょうね。で。それに併せて『大人描写』ってのもあるのではないか…と思うんです。「ファミリー路線に転進はしたけれど、大人要素が払拭されてしまっては駄目だ」という判断で、大人な気分を演出するための『大人記号』としての飲酒…というのがあったんじゃないか、と。そんな風に考えたんですが…もう一方の『大人記号』である喫煙、こっちは旧ルに較べるとむしろ下がってるんですよね。むむむ。

> ひとつとして色・形・ラベルなどから詳細を特定できませんでした
新ルって結局『記号』なんですよね。良くも悪くもファミリー向けアニメとしての要素が強くて。あまり世界を作り込もうとしてない。まぁ、それが当たり前の時代ではあるんですが、もうちょっと拘ってほしかったなぁ、とは思いますね。

> “酒に混ぜて一服盛る”
これは目から鱗でした。僕のデータでも睡眠薬入りは睡眠薬入りと注釈してたんですが『誰に盛られたか』までは記述してませんでした。ので。実に興味深かったです。

ところで。データの瑣末な部分に関して。
第9話「浮世絵ブルースはいかが」での次元のスコッチ。これ結局、次元は呑めず終いだったんじゃないか?と僕は見てるんですが如何でしょうか。最終的に写楽三世が全部呑み干しちゃったわけですが、そこに至るまでに次元が呑んだ様子が無いような。「画面に映ってないところで呑んだんだ」という判断もあるので、個人個人の判断に拠るところですけども。
データが欠けてる部分としては、第8話「ベネチア超特急」での不二子。旅行客に変装中の不二子が食堂車で食事してる場面で赤ワインもテーブルの上にあります。
もの凄ェ瑣末な箇所としては、第12話「大統領への贈り物」での銭形の朝食。赤ワイン呑んでますが、途中何故か白ワインになっちゃってるカットがあるんですよ。単なるミスでしょうから、データとして拾う拾わないの判断はこれまた人に拠るところだと思いますけれども。

> 大人な気分を演出するための『大人記号』
これ大いに同感です。そういう意図はあったと思いますね。飲酒シーンはもちろん、遊びの部分でもビリヤード・ポーカー・カジノ・競馬など、“賭け”の要素も含めて大人の嗜好が色濃く表されていますし。コドモには手の届かない世界の住人という意味でも、当時は憧れを覚えたものです(^^)
一方の喫煙、これも『大人記号』ではありますが、上記と比べると状況を選ばないので、作画に依るところが大きいんじゃないでしょうか? 作画に無知なため単なる印象止まりですけど、旧ルの喫煙も後半が多いですし、新ルも絵柄による傾向を感じます。劇場版になるとより明白になりますね。…と、この辺りは別途に細かく突っ込みたいと思ってますが、是非とも池本教授の教えを受けたいところです。

新ルにおいて諸々の拘りが少ないのは残念ですよね。元々旧ルとはコンセプトが違うから仕方ないのでしょうが…。ただまぁ数少ない拘り部分を発掘して喜べるのもファンの特権なので、それなりに楽しんじゃってますけどね。
睡眠薬入りのケース、私などはむしろ『誰に盛られたか』などの方に注目してしまって。あまり視点がズレると本末転倒になりかねませんが、池本さんの興味をそそることができて良かったです。

ところで9話のスコッチ。私は次元も(映らないけど)呑んだであろうと考えます。というのは、写楽が手にしたときすでにボトルの封が切られていたため。
けれど次元が呑んでいなくても、私はここに彼をカウントします。その理由は、この酒が次元のために用意されて(それを彼も受け取って)いるからです。判断基準でいうと『状況』にあたりますね。この酒データは全般的に『呑んだかどうか』をカウント対象にしてないので、例えば旧ル2話のシャンパンは台詞だけで明らかに呑んでませんが、3人に呑むつもりがあったと見てカウントしています。
このような基準にしたのは、『呑んだかどうか』を考慮すると微妙なシーンが沢山出てきて(グラスはあるけど口を付けているかとか)、その都度判断に困ってしまうためです(^^;
とはいえ、用意があっても台詞などで断っていればカウントから外しています。

8話の不二子は完全に見落としていました。ご指摘ありがとうございます。さっそくリストと集計に加えるとともに、考察も加筆・修正させていただきました。
そして12話の銭形の朝食。そうなんですよ、こういったカットによるブレってしばしば見られますよね。このシーンは画面だと薄い色の方が多く映っているので、銭形の台詞(「キリストはこれを自分の血~」)がなければ白ワインにしたところです。こういう場合は備忘録のためにも極力リストに注釈を入れていますが、ここでは『液体の色』に判断結果と違う方を書いたので言及してませんでした。
しかしまだまだチェック漏れもあるでしょうから、お気づきの点はどんどんご指摘いただけると有難いです。“もの凄ェ瑣末な箇所”も大歓迎ですので、どうぞよろしくお願いします!

> 喫煙
『状況を選ばない』ってのは確かに。何らかの意図が無い限りは脚本にわざわざ「煙草を喫っている」とは書かないでしょうから、そういった意味では作画に依る部分が極めて大きい、と。
しかしまぁ『作画的観点から見た喫煙描写』って事で何か言おうとすると実は特に何も無いんですよ、往々にして。作画する人間の意識・思惑として「別に何も無い」事が多いんじゃないか、という。

単に『記号』としての喫煙てのがまずあって…それは『大人』の強調としての『記号』だったり、あるいはキャラクターのアイコン的な意味での『記号』だったり。新ルってキャラの記号化が積極的に進められたシリーズだったと思うんですが、そういった一種のパターン化てのがファミリー路線志向の一つの側面としてあって、それが一方では軽い・浅いという事でもあり、一方では判り易さだったりもする、と。

あるいはまた『特に何も考えていない』『単なる穴埋め』というのもあって。
役者の世界なんかでは「大根は煙草を喫いたがる(煙草を喫ってれば場が何となく保つ)」みたいな言い回しがあるようですが、これは作画にも言える事で、特に何の演技プランも無いから、何とは無しに「煙草でも喫わせとくか」みたいなケースは往々にしてあるように思います。
まぁTVシリーズの場合はそうやって、どっちかと言うと消極的と言うか、なあなあでやってる面てのが多いと思うんですが、劇場版になるとやはり演出家の『意図』が支配的になるので様子は大分違いますよね。吉川惣司、宮崎駿という天才が演出したマモー編、カリ城はやはり喫煙シーンを抜き出して吟味してみても、そこに込められてるものが極めて多くて…って語り出すとキリが無いのでやめときますが(苦笑)

まぁ、だから…喫煙にしろ飲酒にしろ、作画面からアプローチすると単なるノウハウ的な部分に集約されてしまう面が大きくて、何かもっと重要な部分を掬おうとするなら、脚本なり演出なりといった観点から吟味すべきだ、という事になるだろうと思います。「どう呑むか」「どう喫うか」という演技に関しては作画に依る部分が大きいわけですが、それはまたちょっと別の話になりますしね。
喫煙・飲酒関連で特筆すべき『場面』があるとすれば、それはやはり演出・脚本の『意図』に依るもので、作画が支配的に働いているのは喫煙のような静的な部分ではなくて、アクション関係のような動的な部分になるだろうと思います。まぁ…ディティール描写などは作画に依る部分も大きいんですけど、演出・脚本の指示というケースもあるので、大雑把に括るのはちょっと難しいとこです。

まぁ何につけ、一部の例外を除けば飲酒・喫煙描写は『記号』的な色彩が強い、という事は言えるんでしょうね。演出・脚本面での記号化がまずあって、更に作画面で強調されたんだ、と。前者はある意味では積極的なもので、後者はある意味で消極的なものですが。

> 数少ない拘り部分を発掘して喜べるのもファンの特権
基本フォーマットがあるからこそ変調が変調として面白いってのは確かにありますよね。

> 写楽が手にしたときすでにボトルの封が切られていた
なるほどー!!

> 『呑んだかどうか』を考慮すると微妙なシーンが沢山
そうなんですよね(苦笑) だから判断基準てホント重要で。

> お気づきの点はどんどんご指摘いただけると有難い
そーします。判断基準が違うが故の差異の場合は「それは感知してるけど、これこれこうで落とした(拾った)」といった具合に『既に踏まえてる部分』だったりしてアレなわけですが…しかし『どう解釈したのか』が更に具体的に明らかになるのは「ああ、なるほど」とか「そう捉えたのかー」とか、それはそれで色々と面白いので、ちょっとでも何か引っ掛かったら絡むようにします。

作画面でのコメントありがとうございます。様々な『記号』や『穴埋め』…なるほど興味深いです。
テキストの場合、文字を増やすと冗長になって本筋がわかりにくくなるので、心理表現や話の展開やテーマに無関係な描写は削ってしまいがちですが、絵だと一画面に描き込む分には必要スペースって変わらないですもんね。むしろ『穴埋め』が必要だったりすると。
もちろん絵もテキストも個人差は大いにありますけど、絵は視覚的な『記号』が求められることもあって、使われやすいのかな。だからこそ大根役者の喩えと同様、乱用に陥る危険も高いのかも。や、テキストだって効果的に使うのはとっっても難しいですけどね。。。

キャラクターのアイコン的な記号、仰る通りだと思います。その点で、酒も煙草も次元のアイコン化が進んでいきますが、次元ってわりと無個性ですよね。だからこそルパンの相棒たり得るのだと私は思ってますけど、キャラクターの味付けとして『記号』が付けやすかった(或いはそれを必要とした)のかもしれないなぁ。
とはいうものの、煙草が顔の一部になってる次元は…ちょっと…(苦笑)。喫煙次元が嫌いなわけじゃなくて、煙草を咥えた表情が判で押したように同じだったりするのが萎えるんですよ。←個人的シュミです(^^;
これがいっそ「夕陽のガンマン」のイーストウッドのように無表情が個性のキャラだったら、咥えっぱなしの葉巻が微妙な表情をつくりだして味があるんですけどね。次元のキャラだと……
あ、そうか。描き(書き)手がそのキャラクターをどう捉えているかというのも『記号』の使い方に表れるかな。これは脚本・演出・作画すべてに言えそうですね。

たぶん作画は“技術屋”なので、ノウハウが主になるのは当然のような気もします。確かに本領は動的な部分で発揮されるのでしょう。アクションシーンだと脚本に書けることが無くてつまらない――と三谷さんも言ってますし。
ただ、静的な部分って作画的にはつまらないかもしれないけど、時に台詞以上にものを言うときがあって。ちょっとした仕草や表情が際立つのは、むしろ静的なシーンじゃないかな。仰るように“「どう呑むか」「どう喫うか」という演技”がまさしくものを言うわけで、作画の見せ場としては地味ですが、案外腕の見せ所じゃないかしらん。役者もそういう場面が一番難しそうですから。

> 一部の例外を除けば飲酒・喫煙描写は『記号』的な色彩が強い
確かにこうして見るとそのようですね。一方でご指摘のように『記号』にも様々な意味合いがあって面白いです。『記号』から見えてくるものもあるし。
それに、こうやって膨大なシーンを集めてあれこれ語ってみるのも、多くの『基本フォーマット』に埋もれている『一部の例外』を探してみたいがためかもしれません。

判断基準の違いだろうとなんだろうと、話のキッカケになれば何だって構いませんので、じゃんじゃん絡んでやってください(^^)
よかったら他の方もお気軽に絡んでくださいね。前回の薔薇の話題のように、ちょっとしたことから話が広がることもありますし、そうでなくてもお喋りできるだけで楽しいので。萌え話でも何でも「どんと来い!」です♪

> キャラクターの味付けとして『記号』が付けやすかった(或いはそれを必要とした)
だと思います。それについては功罪があるわけですけど…そもそも原作の時点で極めて記号的なキャラクターだったとも言えますしね。それはもう外見にしろ内面にしろ。
記号的なキャラクターと言うと否定的なニュアンスに受け取られてしまうような事もあって面食らっちゃうんですけど、そんな単純な話ではなくて、「記号だからこそ」という面もあるわけで。
実際、吉川惣司も「いつもルパンにくっついている。ルパンにとっては、まるで一つの記号のような人物」と捉えてますし、大隅正秋も「西部開拓時代の昔から黙々と存在しているキャラクター」と括ってますし。
しかしまぁ、そうした記号化や記号崩しによって何かを構築しようとする積極性はせいぜいPARTIII辺りまでの話で、テレスペ以降は単なる縮小再生産に堕しているように感じられて、それはちょっとアレだなぁと思うところです。

> 絵もテキストも個人差
> 描き(書き)手がそのキャラクターをどう捉えているか
> 作画の見せ場としては地味ですが、案外腕の見せ所
全くその通りだと思います。「バビロン」の金塊掘りのシーンなんかもそうですけど、演技によってキャラクターなり気分なりが描写されるという事がありますしね。単に煙草を喫うというだけの場面でも、描きようによって何事かを語り得るという事はあって、それは描き手の意識や思想や情熱や力量に依るものでしょう。
しかしまぁTVシリーズの場合は、どうしても時間や能力の限界があって、なかなかそういったリッチな仕事は実現されない。安易な記号で流してしまう。だけど、それが基本になってるような案配だからこそ、そこを突破してる回があれば「よくぞ此処まで!凄ェ!」となって魅力爆発になる、と。

> 原作の時点で極めて記号的なキャラクター
そうですよね。元々“ルパンの相棒”として存在づけられたキャラクターですもんね。
以前パンチ先生がTVでルパンたちの誕生について語っていたとき、「相棒をつくってやろうと思って」とスケッチブックのルパンに髭と帽子を書き足し「こうして次元が出来たんですよ」と仰っていたことを思い出します。
吉川氏や大隅氏の言葉も興味深いです。ちゃんと意味のある記号というのは、決して否定されるものではないと思います。その記号を個性なり性格なりに肉付けして活かせるかどうか、何でもそうですが、やはり使い方次第なのでしょうね。
そもそもの意味を置き去りにして表面的な『記号』だけを弄んでしまうからロクな結果にならないわけで。それはTVSP以降、残念ながら全てのキャラにおいて証明されてしまったような…。

> 描き手の意識や思想や情熱や力量に依る
確かに。更にプロの場合は、仰るように時間やその他諸々の制約も加わるわけで、なかなか“いい仕事”が出来ない現状もあるでしょうね。
そんな中でも制作側の“意識や思想や情熱や力量”のカケラを見出せるのがTVシリーズの嬉しいところ。だからこそ山盛りのデータをひとつひとつチェックするのも苦にならないんですよね。
「凄ェ!」と唸らされる名作はもとより、「地味だけど結構いいシーン」を発掘する宝探しも楽しんでいきたいです(^^)

出遅れてしまいましたが私も。まずは8話の変装不二子のワイン、抜けちゃってて失礼しました~!私も自分のメモに書き足させてもらいますv
面白かったのが、「女人館」の銭形について。あの館、怪しい薬所持してそうですもんねぇ(笑)
単に綺麗な女性に囲まれてたからテンション上がっちゃって、ルパンにも友好的だと見るより、“それ系”盛られて正気じゃなかった方が、いつもの銭形とは整合性が保たれますね。面白いなぁv
それと、不二子が最初は睡眠薬を盛られる側だったとの指摘も。なるほど、最初は被害者だったとは…。ルパンもノーミル博士に盛られてるってことで、最初は外部の敵側が使う卑怯な手段だったんですね。
それなのに…あの頭取、不二子に学習させてしまったんですね(笑)

一位が再会の乾杯だったのは、私も同感ですv
旧ル最後の酒シーンが四人の乾杯で、新ル最初も同じく四人の乾杯が最初の酒シーンっていうのが、(乾杯の意味合いは違いますが)何だかイイなーなんて思いました^^

いえいえ、こちら年中無休ですから、いつでもご都合のいいときに書き込んでくださいね。それにデータ抜けなんて、むしろこれだけなのが凄いですよ~!
えへへ、銭形を擁護したくて考察してみました(^^)。「女人館」怪しいですよね~。確かに美女の魅力も大きかったでしょうけど、銭形の顔つきが“デレデレ”というより“トロン”とした風に見えるんですよ。乾杯の前なのにもう酔ってるみたいだなぁと思ってこんな推測をしてみましたが、香りが媚薬というのは古典的な手ですしね。自然界にも多いし。

> 敵側が使う卑怯な手段
ホントですね。普通はそうですよね(笑)
不二子はしてやられて悔しがりながらも「これは使えるわ(キラーン☆)」とか閃いちゃったんでしょうか。割と騙されることもある彼女ですが、あれで学習してるのかもしれませんねえ。

言われてみれば、旧ル最後と新ル最初の酒シーンはどちらも4人の乾杯ですね。おお~なんだか「記念すべき」って言葉がピッタリな感じ。こういうところはファミリー路線万歳!と思っちゃいますわ。

konさん、お久しぶりです! のぞみですー。以前オフでお会いしてからかなり時間が経ってしまいましたが、お元気そうでなによりです^^

映画・OVAがupされた直後に一度お邪魔したのですが、圧倒的なデータ量におののいて「これは腰を据えてジックリ取り組まなくては!」などと思っている間に、すでに新ルデータにまで進んでおり……今日やっと、ちゃんと拝見できました^^; コメント欄もすごく濃くて、鼻息が荒くなります。
コメント、三つの記事にまたがる内容になってしまいますがお許し下さい。

これだけの量をこれだけの質で提供しているのって……凄い! リストを見ながら思い返して喜んだり、口惜しくも記憶していない場面が挙げられていてソワソワしたりしました。加えてデータから導かれる考察も、本当に楽しかったです。

一番驚いたのは、旧ルでした。てっきり、しょっちゅう酒を飲んでいる&しかも細かい、と思い込んでいたので。「寂しがり屋め」の印象が強いからという意見に、まったくその通りだ! と思いました。シリーズ全体の印象を左右するほどの名場面なんですね。しびれるー。

旧ルと言えば、白乾児を挙げられたことに思わずニヤとしました(←パイカル好き)。
私は白乾児どころか酒全般苦手なのですが、噂に聞くこの酒の特徴は、なるほどパイカルか~というヤツらしいですね。パイカルに対し酔っぱらい云々言うルパンの台詞も大好きです。

旧ルの酒の少なさとも関係するのでしょうが、新ルで頻繁に登場する酒が大人の記号としてある、というのは力強く頷いてました。ファミリー路線の中で大人を表すのに記号が必要だったというのは説得力がありますね。
だったら煙草も増やしてくれればいいのに~と、喫煙場面好きの私は思っちゃいますが(笑)。なるほど、状況を選ばないからなのかあ。確かに喫煙場面なら、キャラクター性の表現などは担ってくれそうだけど、「必然性」という項目を考えていくのはちょっと難しそうですしね。
酔ったり、なにかしら盛られたりでストーリー自体にも関わったりするし、場面としての飲酒は喫煙に比べ一粒で何度も美味しいのかもしれませんね。

しかし改めて、ルパンは新からキャラものの傾向を強くしているのだなーと感心しました。こう見てみると、ゴエ=日本酒という図式もほぼ新以降なんですね。
ねずみ小僧あたりは、作品の傾向として日本酒が妥当という気がしますが、「酒は日本酒に限る」「やっぱり日本酒の方が好きでござる」「断然、日本酒に限る」なんて、ずいぶん強行な主張を始めたみたいだし。「たまにはスコッチを味わいたくなってな」も反語的ですがこの仲間でしょうか。
なーんてつい癖でゴエに注目しちゃうと、女刑事メロンの台詞「一仕事終えた後で旨い酒を一杯。他に何が要る」って素敵……。

思い付くまま書いていたらさっぱりまとまりがなくなってしまいました。
続きも楽しみにしています。それでは。

新ルはさすがに飲酒が多いんですね。ほとんど毎回、どこかしらで飲んでいるじゃないですか(笑)。
一番記憶にあるのが「大統領への贈り物」ですが、ナポレオン時代のワインともなるとやっぱり味が変質するものなんですかね? ワインとか、古いほど上等みたいに言われますけど、何百年も前のものじゃさすがにカビ臭くなっちゃうのかー、と思った記憶があるので。匂いはいいようなコト言ってましたけど…
以前に何十年かモノの「山崎」を味見させてもらったことがあるのですが、私には渋すぎて不味かったです(笑)。ワインも賞味期限があるのかなぁ。
ま、ナポレオンのワインって由来だって胡散臭いですけど、当時の保存方法に問題があったのかもしれないですけどね。アレを本当に大統領が飲んでいたら皆が「マズッ」と吐き出して、衛星放送でそれが生中継されていたらフランスとアメリカの友好関係に支障が出たかもしれなかったですから。ルパンがこっそり摩り替えておいたことは国家問題の回避になったんではないかと(爆)。

あ、あと「ネッシー」で五右衛門がスコッチを飲みに来たと言いながら「酒」を飲んでいたのは、私は中身だけスコッチなのかと思っていました;
さすが五右衛門、洋酒を飲む時も徳利に移し変えるコダワリがあるのかーと深読みしてましたよぅ(笑)

>のぞみさん 
うわー嬉しい!ご無沙汰しております。書き込みありがとうございます。
またお喋りさせていただけるなんて、ブログやってて良かった!
大量のデータにお付き合いくださりありがとうございます。みゆさんや池本さんのお陰で充実したデータ(とコメント欄^^)をお楽しみいただけましたでしょ。自ブログながら自慢しちゃいます♪
まとめてのコメントも歓迎ですので、どうぞお気軽に書いてくださいね。
あ、記憶していらっしゃらない場面については、どうぞDVDでお楽しみください(笑)←営業?

旧ルの酒シーン、やっぱり意外ですよね。どうしても「寂しがり屋め」の印象が刷り込まれちゃって、旧ルの酒シーンはどれも同様に描かれている気がして…。名場面の力ってすごいなぁ~。
白乾児お好きなんですね。あ、お酒ではなくキャラクターの方ね(笑)
…あれ?のぞみさん呑めなかったんでしたっけ? お会いしたときは楽しいお喋りと不二子ちゃんのような容姿に夢中だったから記憶にないわ(^^;
“なるほど白乾児”って…これはやはり酒呑みとしては呑んでみなくては!
ルパンの台詞、「酔っぱらっちまいそうな名前だな」ですね(←調べた)。それほど広く馴染みのある酒じゃないように思うんですけど、この一言でアルコール度の高い酒を表現してるなあ。ルパンの言い回しもカッコイイですよねv

そうそう、のぞみさんとはモク仲間でした。これはカラオケ屋のロビーでご一緒したのを覚えてますよ。
や、喫煙シーンもけっこう多いですけど、途中全く登場しない回が続いたりするので、全体としての割合は少ないかな。どんなときにどんな風に吸ってるかチェックしてみたいですね。割と美味しい場面に使われたりもしてますし。
でも仰る通り「一粒で何度も美味しい」のは酒の方かもしれないなあ。みんなで乾杯!といったシーンなど、さすがに煙草では演出できませんものね~。

> 新からキャラものの傾向を強くしている
確かに、こういった側面から見てもそれがわかりますね。日本酒も五右衛門の“アイコン”になったようですし。(というか…旧ルの五右衛門が日本酒を呑んでないとは意外)
12話ではとくに日本酒をアピールしていたのが可笑しかったですね。次元や不二子だって一応日本人なのに(笑)
「たまにはスコッチを~」も、そうか仰る通り反語的ですね。この回、画面上では彼にとって記念すべき“初・日本酒”ですけど、台詞に日常の嗜好が表れているわけですか。
「一仕事終えた後で旨い酒を一杯。他に何が要る」…イイですよね~v ホント仕事の後の一杯は堪えられませんわ~vv…って、のぞみさん呑めないんだった。ゴメンナサイ(^^;
次回も楽しんでいただけるよう頑張りまーす!

>七雲さん 
まったく新ルのヤツラは毎回のように呑んだくれてますよ。
その中でもやはり12話は酒がメインの話なだけに記憶に残りますよね。ナポレオン時代だとそれほど昔でもないですが(ワインの歴史に比べたらですが)、戦争も挟んでるし、いい状態で保存し続けられたかは厳しいかもしれませんね。もっとも保存が良かったとしても、何百年と経って美味しいのかどうかは……どうなんでしょう?(^^;
ワインの個性も様々で、長期間でゆっくり熟成するタイプもあれば、ボジョレーのように新しい方がいいタイプもあるようです。ただ一般家庭では最適な保存が難しいので、手に入れたら早く呑んでしまう方がいいのだとか。
ウィスキーやブランデーの場合は、酒として完成された状態でボトル詰めされるので、それ以上置いておいても劣化してしまうそうですよ。でも、樽で何十年モノとかいうのは聞きますよね。なんとなくまろやかになるような気がしてましたけど、渋かったんですか(笑)

> フランスとアメリカの友好関係に支障が出たかも
あははは!ホントだ~。安物の味ならどうにか誤魔化せても、吐き出すような不味さでは取り繕いようもなかったでしょうね。結果的にルパンたちはイイことしちゃったわけですか(笑)
でも「そんなつもりはなかったのにイイことをしてしまった」という彼らも面白いですね。

> 中身だけスコッチ
ええ~っ、そ・それは考えつかなかった…。悔しい~っ(爆)
まぁもしそうだったとしても、この酒データ分析の定義では日本酒になるけども…。
でもその可能性はとっても面白いですね。書き込んでくださってありがとうございます!

コメントを送ってください

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://k-kon.sakura.ne.jp/mt427/mt-tb.cgi/293