ルパン三世データ分析‐酒データ: 2ndシリーズ(新ル)編 31~60話

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「2ndシリーズ(新ル)編」の第二弾です。(データ協力深謝:みゆさん、池本剛さん)
まずはリストと集計結果から。 >>定義・判断基準
いつも通り、以下はデータをご覧いただいたことを前提に話を進めます。

酒の登場率は4割強――あれ?旧ルと変わりませんね。しかしシーン数は多くて1話平均がほぼ1回(旧ルの倍)です。つまり酒が複数回登場する話がいくつもあるわけで、3~4シーン出てくる話も珍しくありません。
酒の種類はというと、白ワイン・赤ワイン・ウィスキーが同数で6回登場。次いでカクテル(4)・シャンパン(3)・日本酒(2)・ビール(1)です。不明の内ひとつは中国酒の可能性があります。詳細がわかったのは、ブルゴーニュ1935年の赤ワイン・スコッチウィスキー・マティーニ(カクテル)でした。
ボトルが描かれているシーンは6割。が、前回と同様に色・形・ラベルなどからは詳細を特定できず。ラベルの文字は「WINE」「酒」などの"種類"だったりするんですね。形は今回ブルゴーニュ型の割合が上がっています。
備品はアイスペールの他にストローが登場(49話)。ルパンとザクリーヌが仲良くひとつのグラスからループ付きのストローを使い、次元は不服そうにぶくぶくと泡を立ててます(笑)

そしてまた薬入りの酒がありました。42話のMissマリーとオナベスのシーンです。Missマリー(=ルパン)はタブレットの睡眠薬をグラスに落としてシャンパンで溶かし、一方の不二子は強力な興奮剤入りのシャンパンボトルを運んでその企みを阻みます。今度は二人とも"盛る側"になりましたけど、不二子の方が一枚上手でしたね~。
不二子がルパンに薬を使うシーンもあります。45話の乾杯の直前、ここは酒に混ぜるのではなく香水に見せて吹きかけてます(『複製人間』と同じ手)。更にはルパンを眠らせた後、ひとりでヴィンテージワインを味わう余裕ぶり。「悪くないわ」とはワインと宝石の両方にかけた呟きですね。ちなみにこの"香水"、ハングマンを倒した後で次元が使ってます。もちろん、ルパンに向けてね。

さて、キャラクター別に見てみましょう。
首位はもちろんルパン。全体に回数は減りましたが種類が増え、どれも1~5回と偏ることなく呑んでいます。これまでほとんど仲間内の飲酒だったのが、今回は他のお相手が増えましたね。オナベス・ザクリーヌ・エマニエル・マダムXとの同席では、いずれも先方のフィールドでシチュエーションに合った酒(シャンパン・カクテル・ワイン)が選ばれています。パーティでの飲酒も3回。一人でビールのときもありましたけど。
一方で2位をキープする次元は、相変わらずアジトを中心にマイペースです。外出先で呑むときは必ずルパンが居ます。今までもリンダとのデートを除き全てがそうです。(注:『バビロン』のバーで一度ひとりで呑んでいるけど時系列では後になります。)敢えて描かれる機会もないのでしょうが、自分のフィールドで落ち着いて呑むことを好むタイプではあるかもしれません。
3位は前回と逆転して不二子。注目したいのは、「不二子はあんまり酒が強くないからね」とルパンが語っている47話。あんまり...って、どのくらい?(笑)。旧ルではウィスキーをボトルで一気呑みしたほどの彼女だし、なにせ評するルパンの周辺が本人を含めてザル並に強いですからねぇ。不二子のことだから、ルパンとのデートでは早々に酔ったフリを装っている可能性もありそう。ところでルパンは「(食事の後)やっぱりスコッチが入る」とも言ってますが、データから察するに不二子の好みはワインでしょう。台詞の意図はおそらく"食事の後はバーへ向かう"ってことだろうけど、それならデートにはカクテルがふさわしいと思うんですがどうですか? どっからスコッチが出てきたのか、ちょっと謎です(^^;
4位の五右衛門は、割と付き合い良く皆と呑んでいるんですね。だから尚のこと日本酒が恋しくなるのかも。39話・胡珍古のパーティでも日本酒をチョイス。56話・五人衆と固めの杯は当然日本酒ですが、使用の湯呑みがやけにバカデカイことからして皆かなり酒に強いんでしょう。徳利もごろごろ転がってました。気を許してはいないにせよ、誰かと一緒に日本酒を呑めることは嬉しかったかも...なんて邪推したり。
銭形は今回飲酒なし。嬉しいような寂しいような...。や、彼が職務に勤しんでいるのはいいことですよね。ルパンたちにとっては厄介ですが。

同席メンバーを見ると...おや、皆で呑むシーンが減りましたね。乾杯が2回しかないせいもあります。4人が揃って呑んでいる2回はどちらも40話で、他の話には出てきません。ルパン・次元・五右衛門の組合せも、32話の朝食と55話の乾杯という2回のみ。ルパン・次元・不二子の1回は39話・胡珍古のパーティで。ただし不二子は別のテーブルにいるので正確には"同席"ではないです。
ルパン・次元とルパン・不二子は...またも2回で同数ですか(笑)。三度も続くと何やら因縁めいたものを感じますな。しかし今回、ルパンと不二子の初・デート酒シーンがあります(47話)! 画面に映ったのは一瞬ですけど、前述したルパンによる不二子評もあって、記念すべきワンシーンでしょう。
その不二子、単独での酒シーンが増えてます。35話も元は単独行動でしたし、43話は盗聴しながらのプールサイド。39話の胡珍古・52話のスミス少佐など、狙いを付けた男との同席も見られるようになりました。
そうそう、ルパン・次元でも49話は"同席"ではないです。ルパンはザクリーヌとデート中でしたから(^^;

必然性は、今回も酒が欠かせない話があります。タイトルにも"ワイン"が入っている45話です。前回のワイン倉におけるワイン責め(12話)と同様、こちらもワインを武器に使っています。12話では脅しにとどめていたけど、今度は火を点けちゃってます。それだけの相手だったわけですが。
場面では5シーンの内2回が乾杯、固めの杯と薬入りが各1回。残りの1回は、お代わりを求めて差し出したグラスが撃ち抜かれるシーン(32話)です。隠れていたルパンがワイン欲しさに手を出したり、ターゲットしか狙わないスナイパーの徹底ぶりやその腕の良さを見せつける演出が絶妙ですね。

ということで、ベストシーンは断然この32話に決まりです! 「ワインくれ」の台詞やワイングラスが撃たれるなど、酒シーンとしてのポイントも充分です。
ベストスリーの2番目は...やはりタイトルが見逃せない45話のクライマックスを挙げようかな。3番目は迷いましたが、印象の強さを優先して49話・ルパンお手製のマティーニにします。ルパンと不二子の薬入り対決やデートシーンも捨てがたかったですけども。

ついでにひとつ。最初に書いたように今回、酒シーンの多い話がいくつもありました。
最多の4シーンは45話「殺しはワインの匂い」と、43話「北京原人の骨はどこに」。43話ってそんなに呑んでる印象なかったので、些細なシーンばかりとはいえ意外でしたわ。
3シーンは39話「香港の夜空にダイヤは消えた」、40話「ミサイルジャック作戦」、49話「可愛いい女には毒がある」。これも49話以外はちょっと予想外...いや39話は食事とパーティがあるからか。40話は3回ともアジト替わりの自家用クルーザーにメンツが揃ってます。しかし結構地味に呑んでるもんですねえ。

以上、「新ル編 31~60話」でした。
次回は「新ル編 61~90話」をお届けします。どんな注目ポイントがあるか、お楽しみに~。

コメント(8)

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Konさん、連続の更新お疲れ様です。
そんでもって、さすがの充実データをありがとう~。
毎度楽しませていただいているのに、コメントが遅くなりました。すまんな。

それにしても、今回のベストシーン。結局ルパンは飲めていない…という「ルパンは二度死ぬ」をトップにするとは。思わず笑って&唸ってしまいましたよ。せっかくなので本編を見直したところ、このシーンで次元が食べているマンモーのような肉の塊に再び爆笑。いくらなんでもそりゃないだろ(笑)。両手で骨持って食ってるから、結局次元もワイン飲んでないんでないの?(…じゃぁ飲んだかもしれないのは五右ヱ門だけか(笑))
と、非常に無用なところで突っ込めるのが、なんとも楽しいわいなぁ。(っても、ほんと無用でしたけどヾ(^^ゞ)

しかし前回と違って、全く酒の登場しない回と、よく飲んでいる回とのメリハリがついている今回のくくりでは、ある程度は意図して酒が使われていると見てもいいのかもしれませんね。
なんだか酒が大事に使われているだけで、ルパンたちが大事にされているような気がして、とっても嬉しかったわたしであります。

やっちさん、ようやくお越しくだされたか。
ささ…まずは一杯。何をお呑みになります? よりどりみどりでございますよん。

“実は呑んでない”名シーンって、割と多いですよ~。
でもベストシーンのルパンは画面には映ってないけど呑んでますよ。ここは「お代わり」を要求してると見てます。だって食事だけ置いてワインを入れてやらないはずがないもんね。次元もマンモー肉(笑)にかぶりつく前に、まずは一杯口にしてるでしょう。酒飲みならそれが自然ですから。←無駄に自信満々
って、こういう無用に細かいツッコミを交わし合うことこそ、正しいデータの見方かと(^^)

> 酒が大事に使われているだけで、ルパンたちが大事にされているような気がして
ああ~確かに!それは大いに賛同しますね。
そういう意味で、酒シーンってちょっと特別な感じがするんです。酒にこだわってくれることは、ルパンたちにこだわってくれてるように思えるの。食事はマンモー肉でも平たいエビでも構わないけど、酒だけは丁寧に描いて欲しいんですよ。
まぁ車好きの人なら同じことを車で言うだろうから、これは酒好きの視点ですけどもね(笑)

> ラベルの文字は「WINE」「酒」などの“種類”だったりする
データ収集作業中に「おッ!ラベルに何か書いてある。銘柄を判別出来るか?」って事でスロー再生や一時停止してみた結果が『WINE』だったりするパターンは徒労感が激しいですよね。あれはホント参っちゃう(苦笑)

> オナペス
オナペスじゃなくてオナベスですよ。"PE"ではなく"BE"。

> 一人でビール
ルパン一家とビールって何だか相性が悪いと言うか、あまり絵にならないと言うか、様にならない感じですよね。銭形は合ってるんだけど。旧ル最終話のビアガーデンは、あれはあれで様になってましたが、およそあれが唯一の例外な感じで。だから『一人でビール』なんてのはかなりレアな感じ。
まぁ今だったら作品内のリアリティレベルが様変わりしていたり、日本人における飲酒状況の変化なんかもあったりして、『ヨーロッパの田舎で地ビールをチビチビやるルパン』だとか『イギリスの小さなバーで黒ビールを呑ってる次元』とか、真面目に描写したら絵になりそうですけどね。

> 徒労感が激しい
あはは~まったくですよ。目を皿のようにしてチェックしたら『WINE』じゃあねえ。ガックリきますわよホント。

> オナペスじゃなくてオナベス
おっと、名前を間違えてましたか。これはしたり。さっそく修正いたしました。ご指摘ありがとうございます。

ビールは確かに彼らにはピンときませんね。あんまり庶民的すぎたりオヤジっぽくなったりするのはどうもね(だから銭形には似合うのかな^^:)。一番シチュエーションを選ぶ酒かもしれません。酒っていうより水替わりにさりげなく…くらいならいいかな。
そうそう、例として挙げてくれたような状況ならいいですね。気取らずに“ご当地の酒”を味わうというのは、彼らに似合うように思います。
…あーでも割と好きなシーンもあるかな。それはおいおい突っ込んでいきましょう。

しかし…不二子が酒に強いか否かとか、次元vs不二子のルパンとの同席争い(違)とか、他に気になる方いませんかね? ひとりにしないでぇ~(笑)

> 不二子が酒に強いか否か
僕はどうしても、この件に関しては「設定の統一が図られていないが故の揺らぎ」という身も蓋も無い解釈(と言うか割り切り)しか出来なくて、脳内補完をする気があまり起きないってのが正直なとこなんですが…敢えて辻褄を合わせようとするなら、konさんが唱えているように『ルパンとのデートにおいては演技をしている不二子』という可能性か、あるいは、此処はルパンの夢想妄想シーンだから現実の不二子が実際にどうであるかとは関係無く、ルパンにとって都合のいい不二子像が語られている可能性ってのもあるのかなぁ、と思います。

おお池本さん、お付き合いくださりありがとうございます!

>身も蓋も無い解釈
いや、それが正しいのに決まってますよ。でもそれじゃ私がつまらないんで。この程度の揺らぎは脳内補完のしどころですね。妄想屋なんで(^^)
もちろんそんな気が起きない揺らぎもありますけど。帽子がなくても撃てるか否かとか…;;

>ルパンにとって都合のいい不二子像
なるほど、それも言えますね!
酒に弱いと言った直後に甘いシーンを夢見てるので、こうなったらいいなあという願望にかなり近いのかも。
ルパンもそんな自分の妄想を楽しんでいる気があるように思いますわ。

不二子が酒に強いかどうか…に
「いやぁ、最近ホントに弱くなっちゃってさぁー」と
またまた無意味(っつーか迷惑?)なコメントを、平然とUPしようとしてしまったエセ不二子でございます。
酒は、強い弱いより、自分の許容範囲にコントロールできるかどうかでしょうから、この点は、不二子ちゃんに間違いはなさそうだけど。ことにルパンからお酌されたような酒だったら、ルパンにひっかぶせても無理はしなさそう?

> 「いやぁ、最近ホントに弱くなっちゃってさぁー」
そんな…流石に私も(思ってはみたものの)書くのは遠慮したコトを…さらっと書いちまいましたよ、「不二子」ってば(笑)
そうなんだよねえ…最近ホント弱くなっちゃって…って、己のことはさておき。
許容範囲にコントロールできるかどうか、とはまさしく仰る通り(耳がイタイ)。不二子は酒の席で男をたらし込んだりもしてるから、その点でも目的を忘れて適量を過ごすことなどないでしょうね。
確かにルパン相手なら、たとえ無理強いされても、平気でひっかぶせるくらいはしてくれそうです(笑)

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