ルパン三世データ分析‐酒データ: 2ndシリーズ(新ル)編 121~155話

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「2ndシリーズ(新ル)編」のラストです。最終回までの35話を見ていきます。(データ協力深謝:みゆさん、池本剛さん)

まずはリストと集計結果から。 >>定義・判断基準
いつも通り、以下はデータをご覧いただいたことを前提に話を進めます。
※4/4、池本さんのご指摘により1シーン追加し、本文も一部修正&追記しました。

酒の登場率は6割近く。対して1話平均のシーン数が1回ですから、また複数回登場する話が多いということです。酒シーン3回以上の話が4つ(2回も4つ)あります。
酒の種類は久々に赤ワインが返り咲きトップの14回。次いでウィスキーの11回。スピリッツ(5)・ビール(4)と、白ワイン・ブランデー・カクテル・日本酒が各1回。おやシャンパンがありませんね。つーか随分偏ってます。詳細が判明したのはウォッカ・江井ヶ嶋酒造の神鷹・サントリー(ラベルは「YONTORY」)のオールド・アクアビット。後半に集中しています。今回初めて日本酒の銘柄が出てきました。江井ヶ嶋酒造は300年以上の歴史を持つ老舗で、「日本(やまと)魂」なんて銘柄もあるようです。五右衛門が好みそうなネーミングかも。
ボトルはまたボルドー型がリード。しかし登場した全てのボトルや缶にラベルがついているのが細かいです。
備品も復活してワインクーラー・アイスペール・マドラーの他、コルク栓抜きやピッチャーが登場。いつも手で開けているように見えるので、栓抜きは珍しいですね。

そして今回も薬入りは無し。66話以降は(少なくとも酒には)使われていないんですね。次回からのパースリ編に注目したいところです。

では、キャラクター毎に見てみます。
今回のトップは再び次元が逆転。いつも僅差だったのに今度は9回もルパンを上回ってますよ。一体どうしちゃったの? 種類はやはりウィスキーがほぼ半分、赤ワインが1/4、他にビール・スピリッツ・ブランデー。場所もアジトとホテルが変わらず多いけど、今回半数は外ですね。ルパンと別行動の場面もあり、121話にグレゴアールの城で待機中・129話にホテルで2回・141話にホテルで2回...と呑んでます。それ以外はルパンも居るわけで、新ル中盤以降は彼が一人気ままに酒を手に取るシーンが増えているんですね。
2番手のルパンですが、こちらは種類も少なくて赤ワイン・ウィスキー・ビールのみ。場所もアジト・店・船上のみ。今回いつもより5話多いのに、なんだか寂しいなぁ。メインキャラ以外のお相手もいません。単独での飲酒は140話で不二子の手紙を読みながら・144話の料理中・149話の思案中...と3回だけ。144話ではフランベの傍らワインを一口。ちゃんとグラスに移して呑むのが上品ですね。次元だったらラッパでいきそう。149話は次元と五右衛門もいるのに一人酒、ルパンには珍しいケースです。
3番手の不二子、今回唯一の白ワインとカクテルを彼女が呑んでいます。カクテルはルパンたち3人がビールで乾杯している横で(153話)。そういえば不二子は新ルで一度もビールを呑んでないなあ。単独行動のお相手はドターン(122話)・ホイッチニー(140話)・ロンバッハ(145話)・リンゲル(147話)で、いずれもワインです。
4番手の五右衛門はまたも仲間内の付き合い酒のみ。単独での飲酒は56話(五人衆と固めの杯)が最後だったんですね。今回は赤ワイン・ビール・ウィスキーだけで、日本酒もありません。ただし前述したように画面には「神鷹」の銘柄が出てきます(145話)。このとき五右衛門は缶ビールを開けているのでカウントしませんでしたが、心情的には呑ませてあげたかったな~。
銭形も3回の酒シーンがあります。しかも"勤務中のいただけない飲酒"というやつが集中しているようです。

ここで、銭形の飲酒に注目...というか弁護を試みてみましょう。
まず共通しているのが、ルパン逮捕(または任務完了)同然の状況であること。更に気の毒なのは、そんな彼に酒を勧める人がいること。141話など最初はきっぱり断ったのに、ルパン引き渡しの言葉にグラスを一息に煽ってしまいます。147話も似た状況で、こちらは呑んでから酒だと気づいた様子。両方ともかなりアルコール度の高いスピリッツ(ウォッカとアクアビット)のストレートなのも運が悪いというか...。元がなまじ強いだけに、これしきの酒と思ってしまうのかも。
ちょっと違うのは148話です。呑むところは映りませんが、仮眠中の銭形の横に空ビール瓶が2本転がっていて、ここは自主的に呑んだようです。しかし、夜明けまで長時間為す術のない状況と考えれば仮眠を取るのはやむを得ず、私の経験から言って遅くまで仕事したときほど直ぐには眠れないもの。翌朝が寝不足ではマズイので寝なければ!というとき、私も必ず軽いアルコールを入れます。ビール2本は彼にとって充分軽い範囲でしょう。(警察官としてこの状況に相応しい行動かって問題はまた別ですよ?/汗)
銭形はコミカルな役割を担っているせいもあって"油断"と見られ(描かれ)がちですが、翌朝を勝負と決めれば休息に努めるのは当然です。従ってこの場合は油断ではなく"判断ミス"が敗因であったと言えましょう。
銭形の推測と判断をルパンの機知と行動力が上回る、この図式がより明快に描かれていたら最高だったのになぁ...と、名作なだけにちょっぴり惜しい気持ちもありますね(^^;

さて、同席メンバーです。
4人が揃うのは153話の1回のみ。ルパン・次元・五右衛門は久々に増えて4回あり、127話・不二子のピアノ鑑賞、131話・レストランでの食事、145話・すき焼きシーン、146話のカジノ。
ルパン・次元・不二子は122話の1回だけ。ここで五右衛門はお茶を飲んでます。
そして初組合せが次元・五右衛門・不二子。ルパンは同席していません。これは珍しいでしょう。138話冒頭のオープンカフェでシスターに寄付をねだられるところですが、穏やかで仲良さげな雰囲気ですよ。ますます珍しい(笑)
ルパン・次元は121話と131話のアジト、140話のレストラン(変装中)の3回。
ルパン・不二子は123話。いい雰囲気?
次元・不二子は121話・グレゴアールの城で食事中。同席の五右衛門は和食なので酒なしです。

シチュエーションは前回に引き続きパーティに参加しての飲酒なし。ただし123話にアジトで内輪のパーティを催している様子。こういうのって初めてじゃないでしょうか? グラスらしき絵が見えるものの小さすぎて確定できませんでした。このところ少なかった食事シーンの飲酒は増えて7回あり。しかし乾杯は153話の1回のみ。新ル最後の乾杯はジョッキでビール、ちょっと旧ルの最後を彷彿とさせるかな。

必然性について、今回ストーリーに絡むのが149話の酒シーン。こぼしたワインをヒントにルパンの考えが閃きます。いやぁ~こういう使われ方ってイイですね! ルパンがホント素敵♪
他には何といっても129話、次元がウィスキーを消毒薬の代用にしています。麻酔替わりにも勧めてました。時代劇でも焼酎が使われるし珍しくはないのですが、とにかく見せ方がカッコイイので痺れますねぇ。次元といえば風呂でウォッカを呷っていた141話も忘れがたい。
145話のすき焼きにビール、これも非常に印象的です。しかしよく見るとこのシーン、誰もビールに口を付けてません。まぁビール入りのすき焼きを食ってるんだから腹には入ってるか。いや、ルパンは結局一口も食えてないわ...(苦笑)

というわけで、新ル最後のベストシーン。これは149話・ルパンにヒントを与えたワインに決定です。地味ですが酒の使い方が好きなので。こんなシーン他にも見てみたいし書いてもみたい...。
ベストスリーの2番目は、129話の手術シーン。やはりこの名場面は外せないでしょう。酒も大活躍してますしね(^^)
3番目には144話の料理ルパンを。これも地味でちょっとしたシーンだけど、なんか好きなんですよ。芸が細かいせいもあるかな。
すき焼きシーンはやっぱり酒よりすき焼きなので選外に。シーンとしては好きですけどね。138話の珍しい3人組もチョイスしたかったんですが、やはり酒シーンとしては弱いので外れました。

以上、「新ル編 121~155話」でした。
次回はやっとパースリ編をお届けします。どんな注目ポイントがあるか、お楽しみに~。

コメント(5)

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現在、神戸滞在中のため、実際に本編を再確認する事が出来ないのでアレなんですが…僕のデータ(※出先にもデータが入ったMOは持参するのでありました)に拠れば、122話では不二子が赤ワインも呑んでる事になってます。konさんデータとは違って、詳しい状況を書き留めてませんし、何だか記憶も茫漠としてるんですが…不二子が単体で呑んでる事から考えて、ジスボーイ・ドターン議長との密談中に呑んでるんじゃないか、と思うんですが…。

それと訂正箇所が一箇所。147話のゲストはリンゲルじゃなくてビンゲルですよ。

あ、そうそう。肝腎な話を忘れてました。
148話における銭形の飲酒に関する考察が面白かったです。仰る通り、ちょっと残念な描写なんですよね…。konさん案のように、『油断』でなく『休息』とした上で、その手強い好敵手銭形をルパンが『更に』上回る、とした方がスリリングで良かったのになぁ…。
この辺のキャラ解釈の問題は歯痒い事が多くて、同じストーリーラインを踏むにしても、後もう少し、ほんのチョイ、工夫すればいいのに!勿体無い!てのが残念なところです。

おぉ神戸にいらっしゃってまで見ていただきありがとうございます!
つか、データ持参なんですかっ。流石というか何というか…データ屋の鏡ですね。見習いたい…かどうかは悩むところですが(笑)
128話にデータ漏れがありましたか。後ほど確認いたしますね。それと併せてゲストの名前間違いも訂正させていただきます。
ご指摘どうもありがとうございました。

銭形の飲酒、ホント残念な描写ですよねえ。
まぁ飲酒に限ったことではないんだけど、どうもコミカルさの表現どころが違うなあと思います。間が抜けていたりズッコケシーンがあってもいいんですが、ルパンと対決する肝心な部分はしっかり締めて欲しいな。その方が断然面白くなるんだもの。
そうそう、ちょっとしたキャラ解釈の描写で勿体ない!と感じることって多々あります。逆にちょっとした部分が良いと、全体はつまらなくてもいいシーンになったりしますしね。

岡山に戻ったので本編を確認しました。122話Bパートで不二子がやはりドターン議長と赤ワインを呑んでおりました。

遅くなってしまいましたが、122話における不二子の酒シーンを確認しました。ウサギちゃん発言のところですね(^^;
それに伴い、リスト・集計結果・本文を修正し、147話のビンゲルも訂正させていただきました。
グラスが大きめだったのでブランデーにするかちょっと迷ったけど、乾杯なのでやっぱり赤ワインと判断。
池本さん、あらためてどうもありがとうございました!

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