ルパン三世データ分析‐酒データ: 3rdシリーズ(PartIII)編 1~25話

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今回からついに「3rdシリーズ(PartIII)」です。(データ協力深謝:みゆさん、池本剛さん)
パースリは前半と後半の半分に分け、25話ずつ見ていきます。
しかし、話数が少なくて楽かというと...残念ながらそうでもございませんで。

まずはリストと集計結果から。 >>定義・判断基準
いつも通り、以下はデータをご覧いただいたことを前提に話を進めます。
※4/12、池本さんのコメントをヒントに1点銘柄が判明。本文とリスト&集計も修正しました。

酒の登場率は6割ジャスト。1話平均のシーン数はほぼ0.9回。量的には新ルの平均程度でしょうか。では旧ル・新ルと違う点があるのか、これから見ていきたいと思います。
酒の種類はトップが赤ワインの7回。次いでシャンパンの5回。ブランデー(4)・ウィスキー(3)と続き、スピリッツ・カクテル・ビール・日本酒が各1回。白ワインがゼロなのはシャンパンが増えた煽りでしょう。ウィスキーも減ってますね。詳細がわかったのはスコッチ(元ネタはジョニー・ウォーカー)・シャブリの発泡性白ワイン・バドワイザーのビール...案外少ないです。が、全般に判別不能であってもラベルなどが細かい! とくに惜しいのが6話で、ギャランコと次元の再会シーンのボトル。随分調べたんですけども...悔しいです。ここは演出もカッコイイんですよね。
※なんと、コメントをヒントに銘柄が判明。「BLACK&IRUKA」のモデルは「BLACK&WHITE」(スコッチ)です!(池本さん大感謝!!)
そんなわけでボトルも9割方描かれていますし、とにかく丁寧な絵が多いです。色つきのボトルでも傾けたとき微妙に液体が透けて見えたりね。形の分類ではシャンパンが増えたせいもあり、なで肩のブルゴーニュ型がボルドー型を超えています。他の形も多様です。
グラスはカクテルグラスが増えていて、これはシャンパングラスがこの分類に入っているためです。これまでシャンパンは逆三角のカクテルグラス使用が多かったのですが、今回は2話以外は明確にソーサー型シャンパングラスの曲線が描かれています。ブランデーグラスの形も忠実に描写されてますね。そういえば11話は酒は出ないものの、"血の汗を流す"ルビーを入れたワイングラスの絵が美しいです。パースリのグラスって透明感があって綺麗ですね。
備品もちゃんとあります。ワインクーラー・アイスペール・マドラーの他、ピッチャーやデキャンタらしきものも見えました。

さて、注目の薬入り酒シーンですが、パースリではどうでしょうか?
ええ、もちろんありましたとも。仕掛人は2回とも期待に違わず不二子です。17話でルパンに、19話でルパンと次元に、どちらもお宝の独り占めを狙っています。が、19話ではルパンたちの方が一枚上手。薬を中和したかボトルをすり替えたか手だては不明ながら、見事不二子の裏を掻くことに成功しました。次元のバカ笑いがもう最高ですわ(^^)

キャラクター毎に見てみましょう。
トップは順当にルパン。しかしまぁほとんどの酒を呑んでますね。多いのは赤ワインとシャンパンの4回で、他は全て1回ずつ。場所はアジトが多いです。メインキャラ以外のお相手は女海賊シンドバッド・ガーブ・ローリー(未遂^^)・ジェニーで、これは華やかというか物騒というか...。
2番目はこちらも順当な次元。ルパン同様にまんべんなく呑んでいて、いつものウィスキーが2回と少ない。それより次元TVシリーズ初の日本酒があります! どんな風に呑んでたっけ?と思ったら...あらら日本人サラリーマンに変装しての作戦でしたか(25話)。ちょーっと残念。次元が素で日本酒呑んでるところ、見てみたかったな。他にはジンも初めてですね。ウォッカは新ル141話で呑んでましたけど。
3番目はやはり順当に不二子。赤ワイン・ブランデー・シャンパンのみでほぼ同数です。彼女の場合はお相手に注目。2話のアラン長官・5話の大佐・6話のレプトル将軍・9話の博士・20話の鬼平...とまあ酒シーンだけで5人。集計対象がこれまでより5話も少ないのに、なんとも精力的にたらし込...いや単独行動してますね。
4番目は五右衛門ですが、1度しか登場しません。それも25話の酔っぱらいサラリーマン作戦のみで、実際に呑んだかどうかも判然とせず。2話の祝杯も彼のグラスがないし、7話・9話の食事も彼だけが和食のためアルコール抜きです。
銭形は今回酒シーンなし。彼に酒を勧める不届きな輩も登場しませんでした(ホッ)

では、同席メンバーに着目します。
おっと、4人での酒シーンがありませんね。そもそもパースリ全般に4人が揃うシーンが少ないせいもあるんでしょう。コンセプトが違うとはいえ、顔を揃えて呑みまくっていた新ル初期とえらい違いです。
なら3人ではどうかというと、ルパン・次元・五右衛門が、例の25話・泥酔サラリーマン作戦の1回のみ。そもそも五右衛門の酒シーンがここだけですもんね(^^;。ルパン・次元・不二子は、例の19話・薬入り騙し合い合戦の1回のみ。むむむ...面白いけど全然落ち着いて呑んでませんよ。
ルパン・次元の組合せは6回と多いです。2話と12話の祝杯・7話と9話の食事・18話のカジノ・22話のアジト。一見普通のようですが、落ち着いて呑んでいられたのは22話のみ(心穏やかな状況ではないけども)。
ルパン・不二子は...これまでも落ち着いて呑めたためしがありませんからパースリでは尚のこと。17話の1度きりですが、不二子の睡眠薬入りブランデーで金塊を持ち逃げされちゃいました。

そして必然性。これも確率が高いというか密度が濃いというか、主観的項目ながら6割を超えています。しかもストーリー絡みの酒シーンが2回もあり。まぁ乾杯シーンが多いですけどね。
まずは19話・裏切り合戦のラストを締める乾杯です。ただの祝杯で終われば3人で山分けしたところ、不二子が一服盛ったがためにあの大逆転になったのですから、これはストーリーを左右したと判断しました。
もうひとつは25話・宴会大作戦です。相手が酔っぱらいなので銭形が説得を諦める...という酒を利用した作戦であり、メインの盗みに関わるのでストーリーの分類に。しかしこのシーン、一升瓶が7本もあり、それぞれラベルの図柄が違います。「梅」なんて銘柄は実際にあるかもしれませんね。
印象的な場面も多いです。7話でルパンとガーブが不二子の企みで対面するところなど、シャンパン開栓のタイミングやグラスに映るボーイの演出がニクイ。他にも、失敗とわかったルパンがグラスを投げ捨てたり(2話)、手にしたグラスを掲げて意志を交わすとか(2話)、間接的にグラスを割る(5話)、挨拶替わりに滑らせるボトル(6話)、ルパンと不二子の駆け引き(15話)、ウィスキーを使ったジェニーの自己紹介(18話)...などなど。酒シーン好きに嬉しい場面が満載です(^^)v

...ということなので、ベストシーン選びは大変ですよ。どうしよう。しかしやっぱりコレかな。19話の仁義なき出し抜き大会(ああもうボキャブラリが無い...)。インパクトといい酒の使われ方といい文句ナシです。
ベストスリーも困るなあ。う~む...。7話のルパンvsガーブを2番目にします。緊迫した雰囲気に巧く酒を絡めているのが好みなのと、場を演出するボーイが変装した不二子というのもポイント高いです。
3番目は、6話冒頭のボトルを滑らせるシーン。これはカッコイイですよ。取り立てて奇抜な演出ではないけど、決めるところをビシッとキメてくれるのは嬉しいです。ちょっとキザな感じが次元のキャラクターにも合っていますしね。
あれ?どれもまともに呑めてないのか。...まあいいや(笑)

以上、「PartIII編 1~25話」でした。
次回は「PartIII編 26~50話」をお届けします。どんな注目ポイントがあるか、お楽しみに~。

コメント(4)

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PARTIIIのディティール描写が凝っているのは、時代が下った事でアニメ技術が向上して、ディティールに凝る事が当たり前になった、描写法が確立されたという事もありつつ、やはり総作監が青木悠三だった事も重要な点なんだろうと思います。何しろ小道具に至るまで膨大な数の詳細な設定画を描いてますから、PARTIIIのディティール描写があれだけリッチだった事の功労者の筆頭は青木悠三だったと言えるだろうと思います。

> BLACK&IRUKA
「IRUKA」は多分、第6話の作画を担当したスタジオイルカの「イルカ」から来てるんだろうと思います。スタジオイルカ担当回やOHプロ担当回には、こうした遊びが多いです。

> グラスに映るボーイの演出
「死神ガーブ」って「殺し屋はブルースを歌う」の変奏曲バージョンと言うのか、アレンジバージョンのようなニュアンスの回だと思うんですが、付かず離れずなのは大まかなストーリーラインだけじゃなく、こうした細かい部分の演出やカットも結構ダブってるものがあるんですよね。本当に意識してたのかどうかは不明ですが。

先日はいろいろと本当にありがとうございましたv(やっちさんも見てますか?・笑)

パースリの酒シーンって印象的なのが多いですよね。お約束的に敵と不二子の談笑のお供(笑)、という使われ方もあるものの、忘れられない数々の名シーンがたくさんv
私もやっぱり、「裏切りの荒野を走れ」のラストが一番好きです。今まで不二子に何度も眠らされた過去があるだけに、この終わり方ホントにスカッとしますよね。次元のバカ笑い、その気持ちよーく分かるよっと言いたくなります^^
「ガーブ」のルパン対ガーブの緊張感ある乾杯シーン、「ルパンが戦車で…」の次元とギャランコの再会シーンもすごく良いですよね。すごく自然に、大人の作品だなって思えるあの雰囲気がたまりませんv
意外と思われるかもしれませんが(笑)酒を使ったジェニーの自己紹介も大好きです。

一方で、乾杯がなくなっちゃったのはちょっと寂しいですね。ファミリー色の薄い旧ルですら(最終回とはいえ)一度あったのに。
五右ェ門の飲酒シーンが激減してしまったのも残念。せめて25話で本当に飲んでいて欲しいですね(笑)

>池本さん
なるほどー。やはり基本描写が凝っているから全体的にも細かいんですね。1ファンとしても青木悠三さんには本当に大感謝です。

> 「IRUKA」=スタジオイルカの「イルカ」
なんと、そうだったんですか!
それでわかりました。「BLACK&IRUKA」のモデルは「BLACK&WHITE」(スコッチ)です。
前にあたりをつけて調べたときはラベルのデザインが違った(「Black」と小文字なのと、中央に大きく犬のイラストが描かれていた)のでスルーしたんですよ。でも教えていただいてほぼ間違いないと思い更に調べてみたら、古いタイプにソックリなラベルを見つけました。ボトルの形からいってもこれは間違いないですね。あ~スッキリ! ありがとうございました!!
※本文とリスト&集計にも反映させていただきました。

> 「死神ガーブ」って「殺し屋はブルースを歌う」の変奏曲バージョン
> 細かい部分の演出やカットも結構ダブってる
そうなんですよね。この酒シーンで言うと、グラスに映っているのがどちらも男装不二子という点が同じですよね。旧ル「殺し屋は~」の方は酒を持っているのがサブキャラ(キャップ)だったため酒シーンにピックアップしてないですが。
ムリヤリ似せたのではないでしょうけど、意識して作られたのだとは思いますねえ。
この酒シーンだけを取って見ると、パースリ「死神ガーブ」の方がよりドラマチックになっていますね(^^)

>みゆさん
こちらこそ先日は本当に楽しかったです! 嬉しいひとときをありがとうございましたv オフでの酒シーン番外編はまた後ほど公開しますね(^^)

今回調べて改めて感じたんですが、パースリって酒シーンがイイですよね。私のパースリ好きの一因はそれもあるんだろうと思いましたわ。
中でも「裏切りの~」のラストは象徴的ですよね。いろんな意味でパースリっぽさが凝縮されてる感じです。酒シーンとしての描写や使われ方はもちろん、あっけらかんとえげつない不二子といい、抜け目のないルパンといい、笑いが止まらない次元といい、最高です。仰る通りパースリまでの経緯があるから、尚のことスカッとするんでしょうね~。
パースリが全体的にライト&ポップ・テイストでもどこか大人の雰囲気を感じるのは、こういった酒シーンのような描写があるからかもしれませんね。
お、みゆさんってジェニーはOKでしたか? あ、自己紹介シーンのことか(笑)。確かにこの自己紹介は洒落てますものね♪

> 乾杯がなくなっちゃったのはちょっと寂しい
そうなんですよ。新ルほどないとは思ってたけど、こうまで無いとはねえ…。
不二子は行動を共にすること自体が少ないし、五右衛門は居ても呑まないしで、ちょっとびっくりでした。
25話の日本酒、画面には映ってないけど一緒に呑んでいて欲しいですよね。一升瓶がかなり空いてましたから、その場ではなくても皆呑んだと思うんだけどな。だって中身を捨てたとは考えにくいですもん。普段嗜まないパースリの五右衛門が、案外しれっとした表情で呑んでる様子を想像するだけでも楽しいですけど(^^)

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