ルパン三世データ分析‐酒データ: 総括

| (ルパン三世) | コメント(3)

前回までほぼ30話区切りに見てきた酒データ分析ですが、最後に全部をまとめてみたいと思います。
ちょっと気合いが入りすぎて、とんでもなく長~い記事になってしまいました。前後編に分けようかとも考えましたが、それほどのモノでもないので一挙掲載。お時間にゆとりがあるときに読んでくださいませ(^^;
まずは、シリーズ別から順を追って見ていきます。

<映画・OVA(4作)>
>>集計結果
シリーズ別の合計で洋酒がワインを上回っているのはここだけです。足無しタイプのグラスが足付きより多いのもそうですね。これは洋酒の多さだけでなく、ワインやブランデーにも足無しタイプのグラスを使っているためです。
また、ワインは計5回出てきますが、全てが赤ワインです。白系(白ワインとシャンパン)は登場しません。
キャラクターでは、ほとんどをルパンと次元で占めているのが特徴(8回と9回)。五右衛門はほぼ「バビロン」のみで、不二子と銭形もそれぞれ1回だけ。従って同席メンバーもルパン・次元の組合せが目立ちます。
そして、酒シーンの必然性・描写面とも「vs複製人間」と「バビロン」の2作にこだわりが感じられます。「カリ城」は食事が中心ですが、銭形の自棄酒(の残骸)は一瞬ながら印象的でした。

<旧シリーズ(全23話)>
>>集計結果
全体から見た特徴は、まず酒シーン自体が少ないです。登場率4割(10話中4話に登場する計算)で、1話あたりの平均は0.5回。
それから、赤ワインが登場しないことですね。全体の合計を見るとワインは半数以上が赤なのですが...。詳しく見たところ、実は新ルにも赤ワインのない時期があります。75~101話の26話の間に赤ワインは88話の1度キリ。ただしその間はワイン自体が少ないです(酒シーン24に対して白1回とシャンパン3回)。ワインが3割を占めながら赤だけがない旧ルは、やはり珍しいケースです。
また、印象に反して描写の細かい酒シーンが少なかったですね。ボトルの登場率も低く(全体が7割強に対して5割)、備品もなし。それでも必然性は高い...と思ったら平均値(4割)でした。
キャラクターでは、ルパンが主人公らしく断トツの11回(外れたのは1シーンのみ)。次元と不二子が7回と6回でほぼ並び、五右衛門が乾杯シーンの1回、銭形はゼロ。
単独で呑むより同席が多いのが、旧ルのイメージからすると少々意外でした。

<新シリーズ(全155話)>
>>集計結果
5回に分けて語ってきたので、全体像は掴みにくかった新シリーズ。
とにかくスタートダッシュが凄かったため、どんだけ呑んでんのかと思いましたが、少ない時期もあって結局は登場率6割。ただし1話平均はほぼ1回ですから、やはり多いと言っていいでしょう。
全体数が多いこともあり、どの項目をとっても極端な数値は見られません。むしろ多様であることが新ルの特徴でしょうね。強いて言えばビール(8回)が案外少ないかな。
キャラクターでは、ルパンと次元がほぼ同数(87回と85回)。不二子も多い(49回)ですが、割合からいえば旧ルより減っています。五右衛門は37回ながら、彼の酒シーンが見られるのはほとんどが新ル。銭形は12回で、これもほとんど新ルですね。
そうそう、新ルの特徴というなら同席メンバーを忘れちゃいけません。3人以上の同席が34回もあります。アジトで4人揃って酒を呑むシーンは新ルのみで、まさしく新ルの象徴と言えるでしょう。

<3rdシリーズ(全50話)>
>>集計結果
新ルよりも酒シーンの割合が高いパースリ。登場率は64%で1話平均も1回以上。描写も(とくに前半が)むちゃくちゃ濃いぃです。
特徴はまずワイン。白がたった1回で、代わりにシャンパンが9回と増えました。あとはビールと日本酒も1回ずつと少ないです。カクテルもわずか5回(しかも3回が50話に集中)。パースリの酒シーンは、赤ワイン・シャンパン・ウィスキー・ブランデーがほぼ同率で占めています。
ラベルや備品が多く描かれているのも特徴ですね。
キャラクターでは、ルパンと次元がほぼ同数なのは新ルと同様(18回と20回)。ただし不二子の方が多くて22回。五右衛門は作戦時の1回のみ。銭形は3回です。
そして新ルとは逆に同席メンバーが少ないのが特徴。酒シーン55回中、4人がゼロで3人が3回だけ。酒シーンが12回しかない旧ルでさえ、4人1回と3人が2回あるのにね。

<全TVシリーズ(全238話)>
それでは、TVシリーズを全部まとめて見てみましょう。
>>集計結果
>>10話単位の割合一覧
まずは、酒シーンの描写の変遷です。左は10話毎に集計した値のグラフです。(注:旧ルと新ルの最後はそれぞれ13話分(11~23話)と15話分(141~155話)。横軸の目盛は新ル51~60話と101~110話の位置です)
太い赤線が1話あたりの平均登場回数。これだけ縦軸は右側を見てください(最大値2.0)。酒シーン最多は新ル1~10話の1.8回で、実は登場率100%!(登場率は一覧表をご覧ください)。パースリ31~40話も(1話平均は1.2回ながら)登場率は90%と多いのです。少ない方を見ると、旧ルだけでなく新ルも中盤で落ち込んでますね。登場率が最も少ないのは新ル131~140話の30%(1話平均は0.7回)。案外ムラがあるものです。
数値に表れる描写の細かさとして、ボトルと備品(どちらもシーン数に対する割合)を入れました。ボトルが描かれているのは全体で185(全シーン数の74%)、備品は50(同16%)です。無論これだけが描写ではないけど、酒シーンが良い時期はボトルや備品の割合も高いようです。ちなみに、最も酒シーンが充実していると私が感じたのは、新ル61~90話パースリ1~25話です。(注:グラフ下の「新ル」の「新」の真上が71~80話)
その時期はやはり必然性(青線)も高いですね。平均は41%(総数93シーン)ですが、驚異的なのはパースリ11~20話の75%! 次いで新ル61~70話の67%、パースリ1~10話の64%が目立ちます。他に新ル11~20話、71~80話、91~100話も50%を超えています。
極端なのはパースリ後半。ボトルや備品はともかく必然性がガタ落ちで(41~50話は全て減少)、パースリというシリーズを象徴するかのようです(^^;
その意味では、新ルもやはり終盤が下がり気味かな。ラストは少し盛り返していますけどね。

次に、酒の種類の変遷を見てみましょう。
まずはワイン・洋酒・その他といった大分類から。面白いのは、スタートとエンドが収束してるんです、偶然だろうけど。とくにワインと洋酒の傾向がサインカーブみたい(ワインが+sinθで洋酒が-sinθ、周波数は2)。
ワインの合計はちょうど100(全体の42%)。目立つのは、新ル前半(1~40話)・131~140話・パースリ1~10話。中でも多い新ル31~40話と131~140話は洋酒が極端に少ないだけでなく、酒シーン数・備品・必然性ともに低い傾向があり、酒シーン低迷時期かもしれません。
洋酒の合計は92(37%)で、ワインよりわずかに少ない程度。目立つのは新ル51~60話・71~90話・パースリ31~40話。こちらの方がシーンの見応えはありそうです。
その他は合計51(21%)とワインの半分ですが、変動は比較的おとなしいかな...いや、新ル終盤からパースリでのムラが大きいですね。

では、ワインの内訳を見てみます。
やはり目立つのは赤ワイン。合計も54とワインの半分以上(酒全体でも2割以上)を占めます。前述したように旧ルと新ル中盤は少ないですが、新ルの111話以降がやけに多いですね(ワイン自体が少ない141~155話以外)。とくに113話から144話までの32話の間はワインといえば赤しか登場しません。
白ワインは合計20(8%)で、新ル31~40話が唯一のピーク(40話に3回登場するため)。旧ルから新ル10話まではそこそこあるものの、101話以降では145話とパースリ46話の2回のみ。パースリになるとシャンパンに取って代わられるのは前述の通りです。
シャンパンの合計は23(10%)です。新ル10話に登場した後は42話まで出てきません。ただし旧ル・新ル中盤・パースリと、いい酒シーンがよく見られる時期に多いですね。とくにパースリ序盤が最多です。
ところで、Myベストシーンを挙げてみます。
 赤ワイン:
   新ル32話・ルパンの差し出したグラスがピューマに撃ち砕かれるシーン
   新ル149話・こぼしたワインを見てルパンが閃くシーン
 白ワイン:新ル1話・再会の乾杯シーン
 シャンパン:新ル68話・ルパンがニーナにシャンパンを掛けられるシーン
赤ワインはどちらかに絞れず2シーンに。白ワインでは他に12話冒頭(TVでナポレオンのワインを見るシーン)や、40話の自家用クルーザーでの4人のシーンも好きですね。シャンパンは85話の銭形とジャスミン局長の前祝いや、パースリ7話のルパンvsガーブと迷いました。

洋酒を見てみましょう。
ウィスキーは合計60(25%)です。とくに新ル60話までと111~140話は独走態勢です。
ブランデーは合計24(10%)ですが、旧ル19話・新ル5話・15話に登場した後は62話まで出てきません。...あれ?似たようなことを言ったばかりですね。そう、ブランデーの登場傾向はシャンパンと似ています。どうやら酒シーンが充実する時期は、ウィスキーとブランデーそして赤ワインが描き分けられているようです。
スピリッツは合計8(2%)とごく少なく、新ル13話・141話・147話・パースリ22話・50話に登場するのみ。呑んでいるのは次元と銭形だけですね。
さて、Myベストシーンは以下の通り。
 ウィスキー:パースリ6話・冒頭で次元がギャランコにボトルを差し入れるシーン
 ブランデー:パースリ2話・アラン邸で不二子がグラスを掲げるシーン
 スピリッツ:新ル141話・次元のウォッカラッパ飲みシーン
ウィスキーは数が多いだけあって悩みました。最後まで迷ったのはパースリ18話のJennyWalker。ブランデーは同じく不二子のパースリ27話で身体を温めるシーン。どちらも色っぽくて好きなんですが、ちょっと悪そうな2話の方を(^^)。スピリッツはパースリ22話でジンを呑むシーンもさりげなくて(しかも細かくて)好きですが、「スーケーベーのねえちゃん」とか「あんたの度胸が気に入ったぜ」という台詞もイイのでこちらに。や、風呂のシーンもいいですけども(^^;

その他のグラフ、どれも少なくて拮抗しているので見づらいですね。すみません。
カクテルは合計20(8%)、多くが新ル中盤ですね。数的には少ないものの、ザクリーヌに供したマティーニや、カジノ島での応酬が印象深いです。パースリではジェニーと不二子がルパンを挟むシーンと、カクテル「リベンジ」ですね。最後の上昇は50話の3回で、これはどうでもいいや...(^^;
日本酒は合計14(6%)。旧ル15話の酔っぱらいオヤジ作戦以降、新ル113話まで(65~99話を除き)ほぼコンスタントに登場しました。しかし114話からは、145話とパースリ25話の計2回のみ。パースリは五右衛門が呑まなくなったせいとしても、新ル終盤は全体に酒の種類が減っている(描き分けなくなっている)煽りかな~って気もしますね。
ビールは合計10(3%)で、全体を通して「時々呑んでる」という感じですが、たまたま新ルの最後は集中してます(3回)。
Myベストシーンは以下の通り。
 カクテル:パースリ30話・ルパンのつくるカクテル「リベンジ」
 日本酒:パースリ25話・酔っぱらい日本人サラリーマン大作戦のシーン
 ビール:旧ル23話・4人揃っての乾杯シーン
カクテルの次点は新ル68話・カクテルの名前の応酬ですね。日本酒は五右衛門...と思ったんですが、このシーン楽しそうで好きなんですよ。ここでは呑んでなくても、これらの空瓶を用意するために前もって皆で呑んだに違いない!と妄想してます。ビールはやっぱりこのシーンでしょう。銭形の迎え酒(新ル69話)も好きですけどね。

では、キャラクター毎に注目してみます。
まずはルパン。合計で116回と、全酒シーンの5割以上に参加してます。グラフを見ても多いことがわかります。が、傾向としては右肩下がりですね。とくにパースリ21話以降は、酒を控えてるのかと邪推してしまうほど。100%から17%まで非常に変動が激しいです。
とはいえルパンの割合が減ってきたのは、酒シーンが多様化した影響も大きいでしょう。次元が酒好きキャラとして定着し、不二子が他の男達と呑む機会が増え、五右衛門や銭形も参加して。また、それぞれが単独で呑む回数が増えても、個々の比率は下がりますしね。
種類は、まんべんなく呑んでます。赤ワインが多めかな。ウィスキーもですが、全体数を考えるとシャンパンやカクテルも多いです。日本酒も3回、各シリーズ1回ずつなのが器用ですね。全種類制覇...と言いたいところ、残念ながらスピリッツだけがありませんでした。
で、Myベストシーン。キャラ別では、単独で実際に呑んでいそうなシーンを選びます。
 新ル144話・不二子のために料理中ちょっと一口...のシーン(赤ワイン)
次点は62話・洗脳された相棒達を横目にテラスで呑んでるシーンと、新ル71話・船を引き上げる方法を考えてるバーでのシーン。これホント迷ったんですけど、お茶目なシーンを選んじゃいました。

さて、次元はどうでしょうか。
合計は112回で参加率5割、ルパンとほとんど変わりません。グラフの変動はルパンより安定しているものの、全体の傾向は大雑把な山型でしょうか。とくに新ル101話以降はよく呑んでます。パースリって結構呑んでる気がしましたけど、新ルよりも少ないんですね。
種類はウィスキーが断トツに多く、ウィスキーが登場する酒シーンの7割近く(60回中41回)を次元が占めてます。ホント好きなんですね、キャラに合ってるせいでしょうけど。ブランデーも全体の6割以上(24回中15回)と最多です。スピリッツも半数(8回中4回)呑んでますね。赤ワインは回数こそ23と多いですが、全体数54に対して半分に届きません。日本酒はパースリの作戦における1回のみ。カクテルも1回だけなんですね(しかもルパンとザクリーヌのデートのとき...^^;)。それでも一応全種類を制覇しているのは流石と言えましょう。
Myベストシーンは。
 新ル129話・ホテルで一人酒のシーン + サンドラの手術シーン(ウィスキー)
次元はイイ酒シーンが多いので困りましたが、単独となるとやはりこれでしょう。新ル79話でグラスを死守しながら反撃するシーンも地味に好きだったりします。

五右衛門は、回数が少ない割に発見が多かったキャラかもしれません。
合計は39回で、全体の16%。旧ルとパースリは1回ずつですから、ほとんどが新ルでの登場です。また、単独での飲酒はわずか5回。56話で五人衆と固めの杯を交わして以降は、すべてメインキャラと一緒に呑んでいます。
グラフを見ると、やはり新ル前半が多いです。75~110話まで禁酒(?)期間があって、終盤はまた付き合ってます。禁酒期間は皆での食事や乾杯シーン自体が少ないようです(彼だけ別メニューのときもありますが)。
種類は、意外といろいろ呑んでます。日本酒がわずか4分の1(39回中10回)とは少々驚きです。あれこれこだわったことを言ってますが、実は口に出すほど頑なな男ではないんですよね。酒に限らず、五右衛門って案外そういったキャラかもしれません。
Myベストシーン。
 新ル24話・五右衛門のアジトにおけるねずみ小僧とのシーン(日本酒)
このシーンは酒器が渋くて凝っているのも気に入ってます。日本酒用の小物が細かいのはここだけでしょう。日本家屋のアジトといい、目立たないけど五右衛門の好みが満喫できる酒シーンです。

不二子を見てみましょう。
合計は77回、全体の36%です。グラフは比較的安定しているものの、旧ルやパースリと比べて新ルがやや少ないようです。次元とは逆ですね。新ル31~40話のピークは4人同席のシーンが多いためで、次元や五右衛門も同じ傾向を示しています。しかしパースリ最後の急上昇は彼女だけに見られるもので、これは46話と50話に単独の酒シーンが集中しているためです。
種類は、赤ワインが多いですね。全体にワインが7割近くを占めています。カクテルも全体数20の内8回が不二子です。やはりウィスキーはさほど好まないのか、ブランデーを下回っています。ビールも旧ルの乾杯シーンのみ。スピリッツと日本酒がありません。
不二子の場合、とにかくパースリでの単独酒シーンが目立ちます。新ルでは49回中17回だったのが、パースリでは22回中17回と、倍以上に増えているんですね。とくに終盤に集中しています。31話のようにルパンと共謀しての単独行動もありますが、新ルとは明らかに一線を画している特徴です。
Myベストシーン。
 新ル107話・戦利品のダイヤを眺めての一人祝杯シーン(シャンパン)
わずか数秒なんですけど、不二子のこういうところ好きですね。一瞬のカットな割に細かく描かれているのも嬉しいです。他には新ル76話でブレナン長官を相手にするシーンも好きです。インテリ相手だからか普段と目的が違うからか、いつもより凛々しい雰囲気を感じます。

銭形は、流石に他のキャラとは比べものにならないほど少ないです。グラフも地を這ってます。
合計は15回で、全体の6%です。明らかに新ル序盤に集中しています。ピークは新ル11~20話で、ワイン攻防戦の12話で2回・13話の寝酒・ルパン達を飛行船に閉じこめた15話の4回。他は新ル中盤とラスト、パースリ終盤に少しずつです。
種類は、それでもいろいろ呑んでますね。数では赤ワイン(30話までに集中)ですが、比率が高いのはスピリッツで、寝酒に1回の他はウォッカとアクアビット。自主的に呑んだのはウィスキー2・ブランデー1・スピリッツ1・ビール2の計6回のみ。しかし、白ワインやカクテルがゼロなのはわかるとしても、日本酒を全く呑んでないとは思いませんでした。実はあんまり好きじゃないのだろうか?
もうひとつ意外なのは、自棄酒がパースリ終盤の2回のみなこと。「カリ城」にもあったせいか銭形の酒=自棄酒という印象でしたが、実はルパン逮捕の前祝い的な酒の方が多いのです(新ル15話・85話・141話・147話・148話辺り)。こういった傾向を見ると、本来は陽気な性分なのかなあと思えますね。
ところで、当然ながら銭形は単独の飲酒が主です。例外は12話のワイン責めシーン(5人全員)・22話の女人館(ルパンと)・パースリ50話のディスコ(不二子と)の3回。しかし一人酒もそう多くはなくて、12話・13話・69話・148話・パースリ39話の5回。他は誰かしらと同伴で、大抵は勧められる形での酒シーンです。勘定には入れてませんが、キッパリ断っている姿も何度か見ることができました。
Myベストシーン。
 パースリ39話・パブでの自棄酒シーン(ウィスキー、焼酎もあり)
これはパースリ後編で語った通り、自棄になる理由と描写の細かさでチョイス。とくに庶民的な酒のラインナップが素晴らしい。銭形を身近に感じるワンシーンです(^^)

最後のグラフは同席メンバーです。見づらくてすみません。
太い赤線がルパン一味4人の同席です。合計15回、割合は全酒シーンの6%になりますが、旧ル最後の乾杯に始まり新ルの序盤に集中しています。40話の後はめっきり減って、64話・66話・74話の後しばらく無くて113話、その後は153話の1回のみ。酒は旧ルのビール以外はワインで、白と赤が半分ずつ。シャンパンは1回(64話)でした。
一方、3人の同席は旧ルからパースリまでしばしば見られます。合計24回で11%。内、ルパン・次元・五右衛門が14回、ルパン・次元・不二子が9回、次元・不二子・五右衛門が1回です。すべて次元が絡んでますね。ルパン・次元・五右衛門の場合、酒は赤ワイン(6回)とウィスキー(5回)がほとんどで、他はビールと白ワインです。ルパン・次元・不二子ではウィスキー2回以外ワイン系でした。
そしてルパン・次元のコンビですが、合計27回で14%。これは明らかに新ル中盤から目立ってきてます。だいたい4人同席のシーンと入れ替わりの傾向があるようです。二人のときの酒はやはりウィスキーが最も多く、他はほぼ赤ワインとブランデーが占めてます。
ルパン・不二子は、合計11回でわずか5%です。思っていたより少なかったですね。内、わずかでもイイ雰囲気(に見える)のは新ル7話・47話・63話・96話・123話・パースリ17話(微妙)くらいでしょうか。少ないな~(笑)。パースリでは不二子がルパンにヤキモチを妬く酒シーンが2回あるんですが(15話と18話)、どちらも不二子は呑んでいないのが残念。こちらの酒は不二子の好みに合わせてワイン系がほとんど。カクテルとブランデーも1度ずつありました。
Myベストシーンは以下の通りです。
 4人同席:新ル64話・チャータージェットでの乾杯シーン(シャンパン)
 3人同席:
   ルパン・次元・五右衛門:新ル28話・一仕事終えた後の乾杯シーン(ウィスキー)
   ルパン・次元・不二子:パースリ19話・一仕事終えた後の乾杯シーン(シャンパン)
 ルパン・次元:
   旧ル:5話・アジトで寛いでいるシーン(ウィスキー)
   新ル:64話・ホテルのバーでのシーン(ウィスキー)
   パースリ:39話・アジトでTVを見てるシーン(ウィスキー)
 ルパン・不二子:
   旧ル:12話・洞窟でラッパ飲みのシーン(ウィスキー)
   新ル:96話・マキシムでのデートシーン(カクテル)
   パースリ:18話・ルーレットのカジノでジェニーとのシーン(カクテル)
ほとんどこれまでに語ってると思います。ルパン・次元・不二子が仲の良いシーン(笑)で選ぶなら、新ル21話・香港のレストランで(ルパンだけ)五右衛門の心配するシーンでしょうか。ルパンと次元のシーンはどれも日常的な雰囲気が好きですね。ルパンと不二子は逆にスリリングな雰囲気が魅力...かな(笑)。パースリ18話はちょっと反則で、不二子は酒に絡んでいないんですが、ルパフジ的には最もラブラブなシーンだと思うので強引に入れちゃいました。

最後にオマケとして、銘柄(生産年)が判明した酒全てを挙げておきます。実在するもの限定です。
酒を選ぶときのご参考にしてください。←私のため

・シャトー・タルボ★:赤ワイン 映画「ルパンvs複製人間」:次元、五右衛門
・ジャックダニエル:バーボンウィスキー 映画「ルパンvs複製人間」※アジトの残骸
・ジムビーム黒ラベル:バーボンウィスキー 映画「ルパンvs複製人間」:ルパン、次元
・カミュ★(ナポレオンorVSOP):コニャックブランデー 映画「バビロンの黄金伝説」:次元
・ボルドー1959年★★:赤ワイン 映画「バビロンの黄金伝説」:ルパン、次元、五右衛門
・シーバスリーガル:スコッチウィスキー 旧ル5話:ルパン、次元
・ブルゴーニュ1935年★★:赤ワイン 新ル45話:ルパン、不二子
・マティーニ:カクテル 新ル49話 ※ルパンお手製
・I.W.ハーパー101プルーフ:バーボンウィスキー 新ル61話:ルパン、次元、五右衛門 ※不二子の差し入れ。
・マーテル★:コニャックブランデー 新ル64話:次元
・ロマネ・コンティ★★:赤ワイン 新ル66話:ルパン、次元、五右衛門、不二子
・カミュ★(ナポレオン):コニャックブランデー 新ル82話:ルパン、次元、不二子&新ル110話:ルパン、次元
・キャンティ:赤ワイン 新ル88話:ルパン、不二子
・サントリー・オールド:ジャパニーズウィスキー 新ル100話(次元から差し入れ)&145話(キャンピングカー内)
・ジャン・フィユー★(ナポレオン):コニャックブランデー 新ル108話:次元
・神鷹:日本酒 新ル145話 ※すき焼き中の床に有り
・BLACK&WHITE:スコッチウィスキー パースリ6話:次元
・JOHNNIE WALKER:スコッチウィスキー パースリ18話:ルパン、次元
・シャブリ★:発泡性白ワイン パースリ19話:ルパン、次元、不二子
・バドワイザー:ビール パースリ22話:ルパン
・J&B:スコッチウィスキー パースリ39話:銭形
・トライアングル:焼酎 パースリ39話:銭形
・アーリータイムス:バーボンウィスキー パースリ39話:銭形
・ジェムソン:アイリッシュウィスキー パースリ39話:銭形
・バランタインファイネスト:スコッチウィスキー パースリ39話:銭形
・レミーマルタン★(VSOP):コニャックブランデー パースリ40話:ルパン、次元

他、新ル71話のバーにレミーマルタン、オールドパー、カティサークが並んでいます。64話のホテル室内バーも細かいですが、銘柄特定までは至らず。
★印は私が高級酒だな~と感じるものです。とはいえ現在の相場ならちょっと奮発すれば口にすることができます。ただし★★は数十万以上の「超」高級酒なので私は一生無理そう。もしも手に入ったら呼んでください(^^)
また、I.W.ハーパーの101プルーフは残念ながら生産終了。I.W.ハーパーは手に入ります。
こうしてみると、酒シーン的に最も充実している時期は、銘柄の判明も多いようです。映画では「vs複製人間」と「バビロン」、新ルは61~90話、パースリは1~25話辺りですね(39話も集中してますが)。

そうそう、もうひとつオマケ。ネーミングの遊びをまとめてみました。
他にもあるかもしれませんが、気がついたのは以下の4つです。

 SUNTORY→MOONTORY(新ル100話and113話?)
 SUNTORY→YONTORY(新ル145話)
 BLACK&WHITE→BLACK&IRUKA(パースリ6話)
 JOHNNIE WALKER→Jenny Walker(パースリ18話)

「SUN(陽)」を「MOON(月)」にしてるのがユニークですね。他、確定は出来ませんでしたが、銘柄が判明しなかった旧ル12話の「W&C BRIGHT Whisky」、「WCが念頭にあっての冗談名称?(by池本氏)」とのご推察もありました(笑)

さて、思いの外語りすぎてしまった酒データ総括ですが(これまでの連載もですが...^^;)、こんな長丁場にお付き合いいただき、誠にありがとうございました!
データを提供いただいたみゆさんと池本さんにも改めて感謝申し上げます。
そしてコメントのお陰で、自分では思い至らなかったことをお話しできたり、励ましをいただいたこと、本当に楽しく嬉しかったです。

いずれまたデータ分析はやってみたいので、その際にはまたお付き合いくださることを願って。
ルパンたちと、ルパンファンに乾杯!!

コメント(3)

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お疲れ様でした。最後の総括がこれまた圧巻ですね。

それぞれのデータの詳細なグラフが凄ェです。
とりわけ目を惹くのはワインのグラフの新ル後半で突出してる赤ワインでしょうか。それとほぼ同じ辺りに次元のグラフにも山があって…「ルパン」における『記号』を語る上で避けて通れない新ル、次元、赤ワインの三つの要素が呼応し合うように弧を描いているのが面白いなぁと思いました。新ル後半がもっとも記号化が進んだ時代だったと言えるわけで、それがハッキリ数字に出ていますね。新ル終盤になるとテレコム参入などによって記号化が終息しているのもハッキリ現れていて面白いです。

konさんが挙げたMyベストシーンの中で、次点として触れられている『新ル71話・船を引き上げる方法を考えてるバーでのシーン』は僕もちょっと気になるところです。酒に絡んだ問答無用の名シーンは色々とあるわけですが、そんな中でこれは地味な回に含まれた地味なシーンなのでちょっと異質な感じ。何か唐突に雰囲気のある描写になってて、そうした意味でも異質なんですが、この辺りの一連のシーンはちょっと滋味深い感じで乙ですよね。
71話自体が今ひとつパッとしない回だから埋没してしまっているのが少し勿体ないところです。

あ、そうそう。ちょこっと訂正が。
ルパン・不二子同席のMyベストシーンで挙げられてるPARTIII18話が『ドミノのカジノで』となってますが
『ルーレットのカジノで』ですよね。

ありがとうございます。頑張ってなんとか間に合いました(^^)
何かもう…数字ではわけわかんなかったので、グラフにするしかなく。でも視覚化するとポイントが見えやすいですね。池本さんの目を惹くものがあってよかったです。

> 新ル、次元、赤ワインの三つの要素が呼応し合うように
ははあ…興味深いですね!
連載中も、91話から随分酒シーンがトーンダウンしたなあと思ってましたが、こうして細分化してみると明らかに酒の種類も減ってて、この時期どうも適当な感じがするんです。池本さん仰るところの「記号化」ですね。
「記号」自体は必ずしも悪くはないのでしょうが、安易に「記号に頼って」しまうと決して面白くはならないよなあと思います。
新ル最後の持ち直しも理由あってのことなんですね。ホント、しっかり数字に出るのが面白いですね。

> 『新ル71話・船を引き上げる方法を考えてるバーでのシーン』
> 何か唐突に雰囲気のある描写になってて
そうそう、そうなんです。何か違和感があるんですよ。
酒シーンだけを単独で見れば、ものすごくイイんですよね。ルパンのキャラクターもいいし、バーの描写はルパン作品全てを通しても秀逸で、なんでこのシーンを選ばないのか自分でも不思議なくらい。
だけど、どうもアンバランスなんだなあ。作品への個人的感情もなくはないけど(^^;、作品と酒シーンがもう少し馴染んでいたら、もっとずーっと印象に残る名シーンになった気がします。勿体ない~~。

> ルーレットのカジノ
あーっ、しまった。確認するの忘れてたっ。
新ル68話とごっちゃになっちゃった…。
すみません、ご指摘ありがとうございます! 修正いたしました(^^;;

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